H19は、ヒトなどに存在する長鎖ノンコーディングRNAの遺伝子である。H19は体重と細胞増殖を負に調節する役割を持つ。また、この遺伝子は一部のがんの形成や遺伝子発現の調節に関与している。 H19遺伝子は一方の親に由来するアレルのみが発現しており、この現象はインプリンティングとして知られる。H19は母親から受け継がれたアレルのみが転写され、父親由来のアレルは発現しない。H19遺伝子は、ラットでは成体の筋細胞でのみ発現するため、当初はASM(Adult Skeletal Muscle)と命名されていた。H19は、その発現の異常がと関係しているためBWS(Beckwith-Wiedemann Syndrome)とも呼ばれるほか、とも関係している。精子でのH19のエピジェネティックなダウンレギュレーションは、男性不妊との関係が観察されている。