1961年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第58回ワールドシリーズ(英語: 58th World Series)は、10月4日から9日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)がシンシナティ・レッズ(ナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、3年ぶり19回目の優勝を果たした。 両チームの対戦は、1939年以来22年ぶり2回目。1961年当時は冷戦の真っ只中で、両球団の名称がヤンキース(アメリカ合衆国北東部の白人)とレッズ(共産主義の象徴色)だったことから、政治的な注目を集めた。ペンシルベニア州最高裁判所判事マイケル・マスマノは、新聞の見出しが「アカがヤンキーを殺す」となる事態を恐れ、レッズという球団名を変更するよう求める書簡を監督のフレッド・ハッチンソン宛に出したとされる。ヤンキースは敵地での3試合で合計得失点差+16を記録しており、これは1903年シリーズ第5戦〜第7戦のボストン・アメリカンズに並ぶ歴代最多タイである。シリーズMVPには、初戦に先発登板して完封勝利を挙げるなど、2試合14.0イニングで2勝・防御率0.00という成績を残したヤンキースのホワイティー・フォードが選出された。