キャンバースラスト(英: camber thrust)は、回転するタイヤが地面から受ける横方向の力のうち、タイヤの横方向への傾き(キャンバ角)と接地面の広がりに由来する成分を指す用語である。これに対して、ハンドル操作に対応するタイヤの向きの変化(スリップ角)に由来する成分をコーナリングフォース(旋回求心力)という。 右図のように、傾いて回転するタイヤの表面上の点Pが地面に落とす影は基本的に楕円軌道を描くが、点Pが地面に接触している間は摩擦によって直線軌道を取ることを強いられる。軌道のずれは傾きと同じ向きに生じる。これによりタイヤのトレッドやカーカスに生じたひずみが、傾きと同じ向きの力として車体に伝えられたのがキャンバースラストである。

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  • キャンバースラスト(英: camber thrust)は、回転するタイヤが地面から受ける横方向の力のうち、タイヤの横方向への傾き(キャンバ角)と接地面の広がりに由来する成分を指す用語である。これに対して、ハンドル操作に対応するタイヤの向きの変化(スリップ角)に由来する成分をコーナリングフォース(旋回求心力)という。 右図のように、傾いて回転するタイヤの表面上の点Pが地面に落とす影は基本的に楕円軌道を描くが、点Pが地面に接触している間は摩擦によって直線軌道を取ることを強いられる。軌道のずれは傾きと同じ向きに生じる。これによりタイヤのトレッドやカーカスに生じたひずみが、傾きと同じ向きの力として車体に伝えられたのがキャンバースラストである。 キャンバースラストはキャンバ角の変化に追随してほぼ瞬時に定常値に達するため、コーナリングフォースで考えるような緩和長は存在しない。傾きが小さいときキャンバースラストはキャンバ角にほぼ比例し、その比例係数をキャンバー剛性という。キャンバー剛性はタイヤ自体の固さのほか、空気圧や鉛直荷重から影響を受ける。バイアスタイヤはラジアルタイヤより強いキャンバースラストを生むことが分かっている。正味のキャンバースラストはホイール中心よりも前方にはたらくため、タイヤの転がり方向を傾きと同じ側にずらすようなトルク(キャンバートルク、ねじりトルク、ねじりモーメント)が発生する。このトルクについては、接地面の外側は内側とくらべて車軸までの半径が大きいことから移動量が大きくなるためだという説明もできる。 (ja)
  • キャンバースラスト(英: camber thrust)は、回転するタイヤが地面から受ける横方向の力のうち、タイヤの横方向への傾き(キャンバ角)と接地面の広がりに由来する成分を指す用語である。これに対して、ハンドル操作に対応するタイヤの向きの変化(スリップ角)に由来する成分をコーナリングフォース(旋回求心力)という。 右図のように、傾いて回転するタイヤの表面上の点Pが地面に落とす影は基本的に楕円軌道を描くが、点Pが地面に接触している間は摩擦によって直線軌道を取ることを強いられる。軌道のずれは傾きと同じ向きに生じる。これによりタイヤのトレッドやカーカスに生じたひずみが、傾きと同じ向きの力として車体に伝えられたのがキャンバースラストである。 キャンバースラストはキャンバ角の変化に追随してほぼ瞬時に定常値に達するため、コーナリングフォースで考えるような緩和長は存在しない。傾きが小さいときキャンバースラストはキャンバ角にほぼ比例し、その比例係数をキャンバー剛性という。キャンバー剛性はタイヤ自体の固さのほか、空気圧や鉛直荷重から影響を受ける。バイアスタイヤはラジアルタイヤより強いキャンバースラストを生むことが分かっている。正味のキャンバースラストはホイール中心よりも前方にはたらくため、タイヤの転がり方向を傾きと同じ側にずらすようなトルク(キャンバートルク、ねじりトルク、ねじりモーメント)が発生する。このトルクについては、接地面の外側は内側とくらべて車軸までの半径が大きいことから移動量が大きくなるためだという説明もできる。 (ja)
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  • キャンバースラスト(英: camber thrust)は、回転するタイヤが地面から受ける横方向の力のうち、タイヤの横方向への傾き(キャンバ角)と接地面の広がりに由来する成分を指す用語である。これに対して、ハンドル操作に対応するタイヤの向きの変化(スリップ角)に由来する成分をコーナリングフォース(旋回求心力)という。 右図のように、傾いて回転するタイヤの表面上の点Pが地面に落とす影は基本的に楕円軌道を描くが、点Pが地面に接触している間は摩擦によって直線軌道を取ることを強いられる。軌道のずれは傾きと同じ向きに生じる。これによりタイヤのトレッドやカーカスに生じたひずみが、傾きと同じ向きの力として車体に伝えられたのがキャンバースラストである。 (ja)
  • キャンバースラスト(英: camber thrust)は、回転するタイヤが地面から受ける横方向の力のうち、タイヤの横方向への傾き(キャンバ角)と接地面の広がりに由来する成分を指す用語である。これに対して、ハンドル操作に対応するタイヤの向きの変化(スリップ角)に由来する成分をコーナリングフォース(旋回求心力)という。 右図のように、傾いて回転するタイヤの表面上の点Pが地面に落とす影は基本的に楕円軌道を描くが、点Pが地面に接触している間は摩擦によって直線軌道を取ることを強いられる。軌道のずれは傾きと同じ向きに生じる。これによりタイヤのトレッドやカーカスに生じたひずみが、傾きと同じ向きの力として車体に伝えられたのがキャンバースラストである。 (ja)
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  • キャンバースラスト (ja)
  • キャンバースラスト (ja)
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