イスラム原理主義またはイスラーム原理主義(イスラームげんりしゅぎ)とは、イスラム神学、イスラム哲学、イスラム法(イスラム法学および法解釈を厳格にするべきとする思想・学派)を規範として統治される政体や社会の建設と運営を目ざす政治的諸運動を指す用語である。アメリカ合衆国をはじめとするキリスト教圏諸国の反イスラーム主義思想を反映した、往々にして否定的・批判的ニュアンスを帯びた呼称となっている。 日本での「イスラム原理主義」という用語は、英語の Islamic fundamentalismの日本語訳としてジャーナリズム等で使われて広まったものであり、今日一般には「イスラム原理主義」という用語法は無批判に受容されている。 しかし、今日一般に原理主義と翻訳される英語の fundamentalism (ファンダメンタリズム)は、もともと「根本主義」と翻訳されるキリスト教の神学用語で、それが一部の保守的キリスト教徒を嘲弄(嘲笑や侮蔑)する意図の込められたレッテルとして使われるようになったという経緯がある。