λ点(ラムダてん、英: lambda point)とは、潜熱を伴わない相転移における転移点で、温度に対して比熱容量をプロットしたグラフが転移点において尖点を持つものをいう。この尖点付近のグラフ形状がギリシャ文字の λ を左右反転させた形に似ることが多いことから名付けられた。1922年にが塩化アンモニウムについてこのような相転移を発見し、のちにポール・エーレンフェストがと名づけた。 狭義には液体ヘリウムの常流動相(ヘリウムI)と超流動相(ヘリウムII)との間の相転移点をさし、標準気圧下の元での転移温度は 約 2.17 K である。ヘリウムのλ転移が起こる圧力の下限は、5.048 kPa (0.04982 atm) で、このときの転移温度は 2.1768 K (−270.9732 °C) である。この圧力はその温度での飽和蒸気圧(密閉容器中の液体ヘリウムと熱平衡にある純粋な気体ヘリウムの圧力)にあたる。一方でλ転移が起こる圧力の上限は、bcc固体ヘリウムと液体ヘリウムが共存して熱平衡にある、1.762 K (−271.388 °C)、29.725 atm (3,011.9 kPa) である。

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  • λ点(ラムダてん、英: lambda point)とは、潜熱を伴わない相転移における転移点で、温度に対して比熱容量をプロットしたグラフが転移点において尖点を持つものをいう。この尖点付近のグラフ形状がギリシャ文字の λ を左右反転させた形に似ることが多いことから名付けられた。1922年にが塩化アンモニウムについてこのような相転移を発見し、のちにポール・エーレンフェストがと名づけた。 狭義には液体ヘリウムの常流動相(ヘリウムI)と超流動相(ヘリウムII)との間の相転移点をさし、標準気圧下の元での転移温度は 約 2.17 K である。ヘリウムのλ転移が起こる圧力の下限は、5.048 kPa (0.04982 atm) で、このときの転移温度は 2.1768 K (−270.9732 °C) である。この圧力はその温度での飽和蒸気圧(密閉容器中の液体ヘリウムと熱平衡にある純粋な気体ヘリウムの圧力)にあたる。一方でλ転移が起こる圧力の上限は、bcc固体ヘリウムと液体ヘリウムが共存して熱平衡にある、1.762 K (−271.388 °C)、29.725 atm (3,011.9 kPa) である。 ピークの先端がシャープであるため、熱容量の臨界点付近での振る舞いを特徴づける量である臨界指数の測定は、体積の大きな液体でも一様な圧力下に保つことのできる無重力環境においてしか正確に行えない。1992年のスペースシャトルでの実験においてλ点から 2 nK 以内の領域における熱容量が測定され、α = −0.0127±0.0003 という結果が得られた。 (ja)
  • λ点(ラムダてん、英: lambda point)とは、潜熱を伴わない相転移における転移点で、温度に対して比熱容量をプロットしたグラフが転移点において尖点を持つものをいう。この尖点付近のグラフ形状がギリシャ文字の λ を左右反転させた形に似ることが多いことから名付けられた。1922年にが塩化アンモニウムについてこのような相転移を発見し、のちにポール・エーレンフェストがと名づけた。 狭義には液体ヘリウムの常流動相(ヘリウムI)と超流動相(ヘリウムII)との間の相転移点をさし、標準気圧下の元での転移温度は 約 2.17 K である。ヘリウムのλ転移が起こる圧力の下限は、5.048 kPa (0.04982 atm) で、このときの転移温度は 2.1768 K (−270.9732 °C) である。この圧力はその温度での飽和蒸気圧(密閉容器中の液体ヘリウムと熱平衡にある純粋な気体ヘリウムの圧力)にあたる。一方でλ転移が起こる圧力の上限は、bcc固体ヘリウムと液体ヘリウムが共存して熱平衡にある、1.762 K (−271.388 °C)、29.725 atm (3,011.9 kPa) である。 ピークの先端がシャープであるため、熱容量の臨界点付近での振る舞いを特徴づける量である臨界指数の測定は、体積の大きな液体でも一様な圧力下に保つことのできる無重力環境においてしか正確に行えない。1992年のスペースシャトルでの実験においてλ点から 2 nK 以内の領域における熱容量が測定され、α = −0.0127±0.0003 という結果が得られた。 (ja)
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  • λ点(ラムダてん、英: lambda point)とは、潜熱を伴わない相転移における転移点で、温度に対して比熱容量をプロットしたグラフが転移点において尖点を持つものをいう。この尖点付近のグラフ形状がギリシャ文字の λ を左右反転させた形に似ることが多いことから名付けられた。1922年にが塩化アンモニウムについてこのような相転移を発見し、のちにポール・エーレンフェストがと名づけた。 狭義には液体ヘリウムの常流動相(ヘリウムI)と超流動相(ヘリウムII)との間の相転移点をさし、標準気圧下の元での転移温度は 約 2.17 K である。ヘリウムのλ転移が起こる圧力の下限は、5.048 kPa (0.04982 atm) で、このときの転移温度は 2.1768 K (−270.9732 °C) である。この圧力はその温度での飽和蒸気圧(密閉容器中の液体ヘリウムと熱平衡にある純粋な気体ヘリウムの圧力)にあたる。一方でλ転移が起こる圧力の上限は、bcc固体ヘリウムと液体ヘリウムが共存して熱平衡にある、1.762 K (−271.388 °C)、29.725 atm (3,011.9 kPa) である。 (ja)
  • λ点(ラムダてん、英: lambda point)とは、潜熱を伴わない相転移における転移点で、温度に対して比熱容量をプロットしたグラフが転移点において尖点を持つものをいう。この尖点付近のグラフ形状がギリシャ文字の λ を左右反転させた形に似ることが多いことから名付けられた。1922年にが塩化アンモニウムについてこのような相転移を発見し、のちにポール・エーレンフェストがと名づけた。 狭義には液体ヘリウムの常流動相(ヘリウムI)と超流動相(ヘリウムII)との間の相転移点をさし、標準気圧下の元での転移温度は 約 2.17 K である。ヘリウムのλ転移が起こる圧力の下限は、5.048 kPa (0.04982 atm) で、このときの転移温度は 2.1768 K (−270.9732 °C) である。この圧力はその温度での飽和蒸気圧(密閉容器中の液体ヘリウムと熱平衡にある純粋な気体ヘリウムの圧力)にあたる。一方でλ転移が起こる圧力の上限は、bcc固体ヘリウムと液体ヘリウムが共存して熱平衡にある、1.762 K (−271.388 °C)、29.725 atm (3,011.9 kPa) である。 (ja)
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  • Λ点 (ja)
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