初等幾何学における三角形の頂垂線(ちょうすいせん、英: altitude)または単に垂線は、その三角形のひとつの頂点からその対辺(この場合、その頂点に対する「底辺」と呼ぶ)を含む直線へ垂直に引いた線分を言う。この対辺を含む直線のことを、その頂点または頂垂線に対する「延長された底辺」(extended base) あるいは「底辺の延長(線)」と呼ぶ。(頂)垂線と底辺(の延長線)との交点は、(頂)垂線の足 (foot) と言う。頂垂線の「長さ」(しばしばこれを「高さ」("the altitude") と呼ぶ)は、頂点と底辺(の延長線)との間の距離(すなわち、頂点とそこから引いた頂垂線の足との間の距離)を言う。頂点から頂垂線をその足まで描くことを、頂点から「垂線を降ろす」(dropping the altitude) と言い、それは直交射影の特別の場合である。 高さは三角形の面積の計算にも用いることができる: 三角形の面積は、底辺の長さと頂垂線の長さの積の半分に等しい。したがって、三角形の最長の頂垂線は最短辺に垂直である。また、頂垂線と各辺は三角函数を通じて関係している。 二等辺三角形(二つの合同な辺を持つ三角形)において、合同でない辺を底辺として持つ頂垂線は、その辺の中点を足に持つ。また合同でない辺を底辺とする頂垂線は、その頂角の二等分線である。 なる関係が成り立つ()。 * * * *

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  • 初等幾何学における三角形の頂垂線(ちょうすいせん、英: altitude)または単に垂線は、その三角形のひとつの頂点からその対辺(この場合、その頂点に対する「底辺」と呼ぶ)を含む直線へ垂直に引いた線分を言う。この対辺を含む直線のことを、その頂点または頂垂線に対する「延長された底辺」(extended base) あるいは「底辺の延長(線)」と呼ぶ。(頂)垂線と底辺(の延長線)との交点は、(頂)垂線の足 (foot) と言う。頂垂線の「長さ」(しばしばこれを「高さ」("the altitude") と呼ぶ)は、頂点と底辺(の延長線)との間の距離(すなわち、頂点とそこから引いた頂垂線の足との間の距離)を言う。頂点から頂垂線をその足まで描くことを、頂点から「垂線を降ろす」(dropping the altitude) と言い、それは直交射影の特別の場合である。 高さは三角形の面積の計算にも用いることができる: 三角形の面積は、底辺の長さと頂垂線の長さの積の半分に等しい。したがって、三角形の最長の頂垂線は最短辺に垂直である。また、頂垂線と各辺は三角函数を通じて関係している。 二等辺三角形(二つの合同な辺を持つ三角形)において、合同でない辺を底辺として持つ頂垂線は、その辺の中点を足に持つ。また合同でない辺を底辺とする頂垂線は、その頂角の二等分線である。 頂垂線またはその長さを表すのにしばしば文字 h(height に由来) が用いられ、対応する頂点を表す記号をしばしば添字として付けてどの頂点からの垂線なのかを表す。 直角三角形において、直角を持つ頂点から斜辺 c へ引いた垂線によって斜辺を二つの線分(それぞれ長さ p および q)に分割する。この頂垂線の長さを hc と書けば、 なる関係が成り立つ()。 鋭角三角形および直角三角形に対しては、すべての頂垂線の足は三角形の(延長線上でない)辺上に載っている。(一つの鈍角を含む)鈍角三角形においては、鈍角を持つ頂点からの垂線は対辺の内部に足を降ろすが、残りの鋭角を持つ二頂点からの垂線はそれぞれの対辺の延長線上(すなわち三角形の外)に足を降ろす。 * 三角形の各辺を頂垂線との交点で分割し、分割後のそれぞれの長さの辺を持つ正方形を作り(6つ)、図のように時計回りに赤・青・赤・青・赤・青とグループ分けして、赤と青の面積を求めると、両面積は等しくなっている。 * 三角形においては、頂垂線(或いはその延長線)上における垂心から足まで長さと足から三角形の外接円と延長線上の交点(当該頂垂線が関わる頂点ではない側)までの長さが一致する。図の中の外接円が書かれた黄色の三角形の各辺の両側にある赤・青・緑の領域は、それぞれ辺を軸とする線対称な形となっている。 * ある三角形の頂垂線の足3箇所を円周上に持つ正円について、その円周上には同じ三角形の各辺を二等分する点3箇所も存在し、その面積は同じ三角形の外接円の面積の4分の1となっている。 * 三角形の三辺の位置と長さそのものを直径とする三つの円によって生じる3本の共通弦は、その三角形の3本の頂垂線となる。 * 三角形の一辺が頂垂線の足で分割される場合、分割後の長さの辺を持つ正方形同士の面積の差分は、当該三角形の他の二辺で作られる正方形同士の面積の差分と等しくなっている。 * 鋭角三角形(橙)の各辺を用いた各正方形を係る辺の向かいの頂点からの頂垂線の延長線で分割した場合、分割後に生じる長方形について同色のもの同士の面積は互いに等しくなっている。 (ja)
  • 初等幾何学における三角形の頂垂線(ちょうすいせん、英: altitude)または単に垂線は、その三角形のひとつの頂点からその対辺(この場合、その頂点に対する「底辺」と呼ぶ)を含む直線へ垂直に引いた線分を言う。この対辺を含む直線のことを、その頂点または頂垂線に対する「延長された底辺」(extended base) あるいは「底辺の延長(線)」と呼ぶ。(頂)垂線と底辺(の延長線)との交点は、(頂)垂線の足 (foot) と言う。頂垂線の「長さ」(しばしばこれを「高さ」("the altitude") と呼ぶ)は、頂点と底辺(の延長線)との間の距離(すなわち、頂点とそこから引いた頂垂線の足との間の距離)を言う。頂点から頂垂線をその足まで描くことを、頂点から「垂線を降ろす」(dropping the altitude) と言い、それは直交射影の特別の場合である。 高さは三角形の面積の計算にも用いることができる: 三角形の面積は、底辺の長さと頂垂線の長さの積の半分に等しい。したがって、三角形の最長の頂垂線は最短辺に垂直である。また、頂垂線と各辺は三角函数を通じて関係している。 二等辺三角形(二つの合同な辺を持つ三角形)において、合同でない辺を底辺として持つ頂垂線は、その辺の中点を足に持つ。また合同でない辺を底辺とする頂垂線は、その頂角の二等分線である。 頂垂線またはその長さを表すのにしばしば文字 h(height に由来) が用いられ、対応する頂点を表す記号をしばしば添字として付けてどの頂点からの垂線なのかを表す。 直角三角形において、直角を持つ頂点から斜辺 c へ引いた垂線によって斜辺を二つの線分(それぞれ長さ p および q)に分割する。この頂垂線の長さを hc と書けば、 なる関係が成り立つ()。 鋭角三角形および直角三角形に対しては、すべての頂垂線の足は三角形の(延長線上でない)辺上に載っている。(一つの鈍角を含む)鈍角三角形においては、鈍角を持つ頂点からの垂線は対辺の内部に足を降ろすが、残りの鋭角を持つ二頂点からの垂線はそれぞれの対辺の延長線上(すなわち三角形の外)に足を降ろす。 * 三角形の各辺を頂垂線との交点で分割し、分割後のそれぞれの長さの辺を持つ正方形を作り(6つ)、図のように時計回りに赤・青・赤・青・赤・青とグループ分けして、赤と青の面積を求めると、両面積は等しくなっている。 * 三角形においては、頂垂線(或いはその延長線)上における垂心から足まで長さと足から三角形の外接円と延長線上の交点(当該頂垂線が関わる頂点ではない側)までの長さが一致する。図の中の外接円が書かれた黄色の三角形の各辺の両側にある赤・青・緑の領域は、それぞれ辺を軸とする線対称な形となっている。 * ある三角形の頂垂線の足3箇所を円周上に持つ正円について、その円周上には同じ三角形の各辺を二等分する点3箇所も存在し、その面積は同じ三角形の外接円の面積の4分の1となっている。 * 三角形の三辺の位置と長さそのものを直径とする三つの円によって生じる3本の共通弦は、その三角形の3本の頂垂線となる。 * 三角形の一辺が頂垂線の足で分割される場合、分割後の長さの辺を持つ正方形同士の面積の差分は、当該三角形の他の二辺で作られる正方形同士の面積の差分と等しくなっている。 * 鋭角三角形(橙)の各辺を用いた各正方形を係る辺の向かいの頂点からの頂垂線の延長線で分割した場合、分割後に生じる長方形について同色のもの同士の面積は互いに等しくなっている。 (ja)
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  • 初等幾何学における三角形の頂垂線(ちょうすいせん、英: altitude)または単に垂線は、その三角形のひとつの頂点からその対辺(この場合、その頂点に対する「底辺」と呼ぶ)を含む直線へ垂直に引いた線分を言う。この対辺を含む直線のことを、その頂点または頂垂線に対する「延長された底辺」(extended base) あるいは「底辺の延長(線)」と呼ぶ。(頂)垂線と底辺(の延長線)との交点は、(頂)垂線の足 (foot) と言う。頂垂線の「長さ」(しばしばこれを「高さ」("the altitude") と呼ぶ)は、頂点と底辺(の延長線)との間の距離(すなわち、頂点とそこから引いた頂垂線の足との間の距離)を言う。頂点から頂垂線をその足まで描くことを、頂点から「垂線を降ろす」(dropping the altitude) と言い、それは直交射影の特別の場合である。 高さは三角形の面積の計算にも用いることができる: 三角形の面積は、底辺の長さと頂垂線の長さの積の半分に等しい。したがって、三角形の最長の頂垂線は最短辺に垂直である。また、頂垂線と各辺は三角函数を通じて関係している。 二等辺三角形(二つの合同な辺を持つ三角形)において、合同でない辺を底辺として持つ頂垂線は、その辺の中点を足に持つ。また合同でない辺を底辺とする頂垂線は、その頂角の二等分線である。 なる関係が成り立つ()。 * * * * (ja)
  • 初等幾何学における三角形の頂垂線(ちょうすいせん、英: altitude)または単に垂線は、その三角形のひとつの頂点からその対辺(この場合、その頂点に対する「底辺」と呼ぶ)を含む直線へ垂直に引いた線分を言う。この対辺を含む直線のことを、その頂点または頂垂線に対する「延長された底辺」(extended base) あるいは「底辺の延長(線)」と呼ぶ。(頂)垂線と底辺(の延長線)との交点は、(頂)垂線の足 (foot) と言う。頂垂線の「長さ」(しばしばこれを「高さ」("the altitude") と呼ぶ)は、頂点と底辺(の延長線)との間の距離(すなわち、頂点とそこから引いた頂垂線の足との間の距離)を言う。頂点から頂垂線をその足まで描くことを、頂点から「垂線を降ろす」(dropping the altitude) と言い、それは直交射影の特別の場合である。 高さは三角形の面積の計算にも用いることができる: 三角形の面積は、底辺の長さと頂垂線の長さの積の半分に等しい。したがって、三角形の最長の頂垂線は最短辺に垂直である。また、頂垂線と各辺は三角函数を通じて関係している。 二等辺三角形(二つの合同な辺を持つ三角形)において、合同でない辺を底辺として持つ頂垂線は、その辺の中点を足に持つ。また合同でない辺を底辺とする頂垂線は、その頂角の二等分線である。 なる関係が成り立つ()。 * * * * (ja)
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  • 頂垂線 (三角形) (ja)
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