「鞍馬天狗」(くらまてんぐ)は、能の演目の一つ。五番目物、天狗物、太鼓物に分類される。牛若丸伝承に題を採った曲で、大天狗と牛若丸との間の少年愛的な仄かな愛情を、華やかな前場と、山中での兵法相伝を行う後場の対比の中に描く。 作者は「能本作者註文」が宮増とするが、宮増についてはその実像がはっきりとは解っておらず、不明な点も多い。「自家伝抄」は世阿弥作と記すが、考えにくい。