鎮守府(ちんじゅふ)は、陸奥国に置かれた古代日本における軍政を司る役所である。その長官である将軍の名が天平元年(729年)に初めて見えることから、奈良時代前半には鎮守府相当の機関が東国のいずれかの地に設置されたものと推測される。長である鎮守府将軍の職位は五位から四位相当である。 一般的に、鎮守府の前身は『続日本紀』に見える「鎮所」(ちんじょ)であり、陸奥国府があったとされる多賀城付近に併設されていたものと推測されている。そして延暦21年(802年)に坂上田村麻呂が胆沢城を築城し、この時に鎮守府は胆沢城に移されたと言われている。