『逃げ去る恋』(原題: L'Amour en fuite)は、フランソワ・トリュフォーの監督による、1979年のフランスの長編映画である。「アントワーヌ・ドワネルの冒険」5作目。『大人は判ってくれない』から20年後、シリーズの総集編である。 トリュフォーは前作の『家庭』でシリーズを終わらせたつもりだったのだが、デンマークのある映画館で前4作を連続上映したところ、大好評を博したという話を聞いて本作の構想を得た。現在のシーンと回想シーンとをパッチワークのようにつなぎ合わせた実験的な映画。 回想シーンと現在のシーンで年代に開きがある場合、それぞれのシーンは違う役者が演技するのが一般的であるが、20年前の回想シーンに登場する子どもから現在に至るまで全て同一人物というのは他に類を見ない。20年間撮り続けたシリーズものならではの演出である。