辞(じ)は、古代中国における韻文の文体の一つ。春秋戦国時代、南方楚地方の巫祝の音楽に起源を持つとされ、句中句末に「兮」字を多用する独自の形式と、悲歌慷慨の文学ともいうべき豊かな抒情性を特徴とする。漢代には分類上賦の一類に含められることが多く、あるいは並列して辞賦とも呼ばれる。屈原の手になるとされる『楚辞』の「離騒」の系譜に連なることから、屈賦(くつふ)・騒体賦(そうたいふ)などの別称もある。