車掛り(くるまかり、くるまかかり)は、18世紀の日本の書である『海国兵談』に記載・紹介されている車輪付きの突撃兵器(長車型兵器)であり、当書では、懸車とも表記される(上杉謙信が川中島の戦いで用いた陣形とは異なる)。 当書に記載されている破城槌の一種である「破門材」(二輪の長車で、左右の取っ手は縄)と構造的には同じで、槌自体に車輪を備え(前部に一輪のみの長車)、破城槌の応用兵器であり、左右に4人ずつ、計8人の百姓町人に用いさせた(当書に、勇気ある者に運用させるよう記述がある)突撃兵器である。従って、武士が運用する兵器ではない。 左右の取っ手は、破門材と異なり、棒状(当書では、「横木」と表記される)。運用者を矢玉・投石から守るために取っ手の手前には小盾が設置され、計8枚の盾が左右に4枚ずつ備えられていることに加え、先端には9本もの竹槍が扇状に備えられ、破城槌に攻防の役割を備えさせた改良兵器ともいえる。 十車から三十車(運用者が80から240人)といった複数台で、敵の隊中へ押し込む戦法が記述されており、歩兵が用いる兵器だが、当書に「人も馬も押し倒す」と記述されるように、対騎兵用ともなる。敵陣に突撃して、勢いを崩させ、その後に武者が切り込むことが戦術目的と記される。

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  • 車掛り(くるまかり、くるまかかり)は、18世紀の日本の書である『海国兵談』に記載・紹介されている車輪付きの突撃兵器(長車型兵器)であり、当書では、懸車とも表記される(上杉謙信が川中島の戦いで用いた陣形とは異なる)。 当書に記載されている破城槌の一種である「破門材」(二輪の長車で、左右の取っ手は縄)と構造的には同じで、槌自体に車輪を備え(前部に一輪のみの長車)、破城槌の応用兵器であり、左右に4人ずつ、計8人の百姓町人に用いさせた(当書に、勇気ある者に運用させるよう記述がある)突撃兵器である。従って、武士が運用する兵器ではない。 左右の取っ手は、破門材と異なり、棒状(当書では、「横木」と表記される)。運用者を矢玉・投石から守るために取っ手の手前には小盾が設置され、計8枚の盾が左右に4枚ずつ備えられていることに加え、先端には9本もの竹槍が扇状に備えられ、破城槌に攻防の役割を備えさせた改良兵器ともいえる。 十車から三十車(運用者が80から240人)といった複数台で、敵の隊中へ押し込む戦法が記述されており、歩兵が用いる兵器だが、当書に「人も馬も押し倒す」と記述されるように、対騎兵用ともなる。敵陣に突撃して、勢いを崩させ、その後に武者が切り込むことが戦術目的と記される。 (ja)
  • 車掛り(くるまかり、くるまかかり)は、18世紀の日本の書である『海国兵談』に記載・紹介されている車輪付きの突撃兵器(長車型兵器)であり、当書では、懸車とも表記される(上杉謙信が川中島の戦いで用いた陣形とは異なる)。 当書に記載されている破城槌の一種である「破門材」(二輪の長車で、左右の取っ手は縄)と構造的には同じで、槌自体に車輪を備え(前部に一輪のみの長車)、破城槌の応用兵器であり、左右に4人ずつ、計8人の百姓町人に用いさせた(当書に、勇気ある者に運用させるよう記述がある)突撃兵器である。従って、武士が運用する兵器ではない。 左右の取っ手は、破門材と異なり、棒状(当書では、「横木」と表記される)。運用者を矢玉・投石から守るために取っ手の手前には小盾が設置され、計8枚の盾が左右に4枚ずつ備えられていることに加え、先端には9本もの竹槍が扇状に備えられ、破城槌に攻防の役割を備えさせた改良兵器ともいえる。 十車から三十車(運用者が80から240人)といった複数台で、敵の隊中へ押し込む戦法が記述されており、歩兵が用いる兵器だが、当書に「人も馬も押し倒す」と記述されるように、対騎兵用ともなる。敵陣に突撃して、勢いを崩させ、その後に武者が切り込むことが戦術目的と記される。 (ja)
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  • 車掛り(くるまかり、くるまかかり)は、18世紀の日本の書である『海国兵談』に記載・紹介されている車輪付きの突撃兵器(長車型兵器)であり、当書では、懸車とも表記される(上杉謙信が川中島の戦いで用いた陣形とは異なる)。 当書に記載されている破城槌の一種である「破門材」(二輪の長車で、左右の取っ手は縄)と構造的には同じで、槌自体に車輪を備え(前部に一輪のみの長車)、破城槌の応用兵器であり、左右に4人ずつ、計8人の百姓町人に用いさせた(当書に、勇気ある者に運用させるよう記述がある)突撃兵器である。従って、武士が運用する兵器ではない。 左右の取っ手は、破門材と異なり、棒状(当書では、「横木」と表記される)。運用者を矢玉・投石から守るために取っ手の手前には小盾が設置され、計8枚の盾が左右に4枚ずつ備えられていることに加え、先端には9本もの竹槍が扇状に備えられ、破城槌に攻防の役割を備えさせた改良兵器ともいえる。 十車から三十車(運用者が80から240人)といった複数台で、敵の隊中へ押し込む戦法が記述されており、歩兵が用いる兵器だが、当書に「人も馬も押し倒す」と記述されるように、対騎兵用ともなる。敵陣に突撃して、勢いを崩させ、その後に武者が切り込むことが戦術目的と記される。 (ja)
  • 車掛り(くるまかり、くるまかかり)は、18世紀の日本の書である『海国兵談』に記載・紹介されている車輪付きの突撃兵器(長車型兵器)であり、当書では、懸車とも表記される(上杉謙信が川中島の戦いで用いた陣形とは異なる)。 当書に記載されている破城槌の一種である「破門材」(二輪の長車で、左右の取っ手は縄)と構造的には同じで、槌自体に車輪を備え(前部に一輪のみの長車)、破城槌の応用兵器であり、左右に4人ずつ、計8人の百姓町人に用いさせた(当書に、勇気ある者に運用させるよう記述がある)突撃兵器である。従って、武士が運用する兵器ではない。 左右の取っ手は、破門材と異なり、棒状(当書では、「横木」と表記される)。運用者を矢玉・投石から守るために取っ手の手前には小盾が設置され、計8枚の盾が左右に4枚ずつ備えられていることに加え、先端には9本もの竹槍が扇状に備えられ、破城槌に攻防の役割を備えさせた改良兵器ともいえる。 十車から三十車(運用者が80から240人)といった複数台で、敵の隊中へ押し込む戦法が記述されており、歩兵が用いる兵器だが、当書に「人も馬も押し倒す」と記述されるように、対騎兵用ともなる。敵陣に突撃して、勢いを崩させ、その後に武者が切り込むことが戦術目的と記される。 (ja)
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  • 車掛り (兵器) (ja)
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