数学において、記号の濫用(きごうのらんよう、英: abuse of notation, 仏: abus de notation)とは、形式的には正しくないが表記を簡単にしたり正しい直観を示唆するような表記を(間違いのもととなったり混乱を引き起こすようなことがなさそうなときに)用いることである。記号の濫用は記号の誤用とは異なる。誤用は避けなければならない。 関連する概念に用語の濫用(英: abuse of language, abuse of terminology, 仏: abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。 用語の濫用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば群 G の表現とは正確には G から GL(V) (ただし V はベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間と R3 なども同型な対象を同一視した濫用の例である。 

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  • 数学において、記号の濫用(きごうのらんよう、英: abuse of notation, 仏: abus de notation)とは、形式的には正しくないが表記を簡単にしたり正しい直観を示唆するような表記を(間違いのもととなったり混乱を引き起こすようなことがなさそうなときに)用いることである。記号の濫用は記号の誤用とは異なる。誤用は避けなければならない。 関連する概念に用語の濫用(英: abuse of language, abuse of terminology, 仏: abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。 用語の濫用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば群 G の表現とは正確には G から GL(V) (ただし V はベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間と R3 なども同型な対象を同一視した濫用の例である。  記号や用語の濫用は対象が複数の成分からなるときによく起こる。例えば位相空間は集合 X(位相空間の台集合と呼ばれる)と位相 からなり、2つの位相空間 と は台集合が同じでも位相が異なれば位相空間としては別物である。それにもかかわらず、混乱の恐れがないときには(すなわちどんな位相を考えているかが明白なときには)通常単に X で位相空間を指す。同様に群 (G, ∗) は群演算が文脈から明らかなときには単に G と書かれる。 (ja)
  • 数学において、記号の濫用(きごうのらんよう、英: abuse of notation, 仏: abus de notation)とは、形式的には正しくないが表記を簡単にしたり正しい直観を示唆するような表記を(間違いのもととなったり混乱を引き起こすようなことがなさそうなときに)用いることである。記号の濫用は記号の誤用とは異なる。誤用は避けなければならない。 関連する概念に用語の濫用(英: abuse of language, abuse of terminology, 仏: abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。 用語の濫用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば群 G の表現とは正確には G から GL(V) (ただし V はベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間と R3 なども同型な対象を同一視した濫用の例である。  記号や用語の濫用は対象が複数の成分からなるときによく起こる。例えば位相空間は集合 X(位相空間の台集合と呼ばれる)と位相 からなり、2つの位相空間 と は台集合が同じでも位相が異なれば位相空間としては別物である。それにもかかわらず、混乱の恐れがないときには(すなわちどんな位相を考えているかが明白なときには)通常単に X で位相空間を指す。同様に群 (G, ∗) は群演算が文脈から明らかなときには単に G と書かれる。 (ja)
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  • 数学において、記号の濫用(きごうのらんよう、英: abuse of notation, 仏: abus de notation)とは、形式的には正しくないが表記を簡単にしたり正しい直観を示唆するような表記を(間違いのもととなったり混乱を引き起こすようなことがなさそうなときに)用いることである。記号の濫用は記号の誤用とは異なる。誤用は避けなければならない。 関連する概念に用語の濫用(英: abuse of language, abuse of terminology, 仏: abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。 用語の濫用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば群 G の表現とは正確には G から GL(V) (ただし V はベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間と R3 なども同型な対象を同一視した濫用の例である。  (ja)
  • 数学において、記号の濫用(きごうのらんよう、英: abuse of notation, 仏: abus de notation)とは、形式的には正しくないが表記を簡単にしたり正しい直観を示唆するような表記を(間違いのもととなったり混乱を引き起こすようなことがなさそうなときに)用いることである。記号の濫用は記号の誤用とは異なる。誤用は避けなければならない。 関連する概念に用語の濫用(英: abuse of language, abuse of terminology, 仏: abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。 用語の濫用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば群 G の表現とは正確には G から GL(V) (ただし V はベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間と R3 なども同型な対象を同一視した濫用の例である。  (ja)
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  • 記号の濫用 (ja)
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