莫 登庸(マク・ダン・ズン、Mạc Đăng Dung、1483年? - 1541年9月12日)は、ベトナム莫朝の初代皇帝。廟号は莫太祖(Mạc Thái Tổ マク・タイ・トー)。 後黎朝の朝廷に仕え、度重なるクーデターなどの情勢の混乱に乗じて権力を奪取し、主君の昭宗を弑殺、その弟の恭皇を傀儡として禅譲を強要し、自ら皇帝に即位して莫朝を建国した。しかし黎朝の皇族の生き残りにより樹立された亡命政権との間で統治圏は二分され、さらに外交面では中国の明朝による圧迫を招いた。ベトナムの歴史書である大越史記全書では、「奪取黎朝天下,僭稱位號」と記され僭称者として扱われた。