生化学において、脂質生合成(英: lipogenesis)とは、脂肪酸とグリセロールを脂肪に変換すること、またはアセチルCoAをトリグリセリドに変換して脂肪に貯蔵する代謝過程である。脂質生合成には脂肪酸合成とトリグリセリド合成の2種類があり、後者は、超低密度リポタンパク質(VLDL)にパッケージ化される前に、脂肪酸とグリセロールがエステル化する過程である。脂肪酸は、細胞の細胞質で、アセチルCoAに炭素数2の単位を繰り返し付加することによって合成される。一方、トリアシルグリセロールは、細胞の小胞体膜で、グリセロール分子に3つの脂肪酸分子が結合することによって合成される。どちらの過程も、主に肝臓や脂肪組織で行われるが、それだけでなく腸や腎臓など他の組織でもある程度は起こる。2008年に、LopezとVidal-Puigによって、脳内における脂質生合成に関する総説が発表された。肝臓でVLDLにパッケージ化されて得られたリポタンパク質は、直接に血液中に分泌され、末梢組織へ送達される。