肝毒性(Hepatotoxicity)とは、化学物質が肝障害を発症させる性質を意味する。また、薬剤性肝障害(Drug-induced liver injury)は、特に薬剤によって引き起こされる急性および慢性の肝疾患を指す用語である。 肝臓は、化学物質を代謝して排出する中心的な役割を果たしており、これらの薬剤による毒性の影響を受けやすい。ある種の医薬品は、過剰摂取した場合(アセトアミノフェンなど)や、時には治療範囲内で導入した場合(ハロタンなど)でも、肝臓を傷つける可能性がある。その他にも、実験室や工場で使用される化学物質、天然化学物質(ミクロシスチンなど)、薬用ハーブ(代表的な例として、メカニズムが不明なカヴァや、ピロリジジンアルカロイドを含むヒレハリソウ)漢方薬(特に黄芩)なども肝毒性を発現する可能性を持っている。肝障害を引き起こす化学物質はと呼ばれている。 薬剤性肝障害は、入院患者の5%、急性肝不全の50%を占めている。