真理(しんり、希: ἀλήθεια、羅: veritas、英: truth、仏: vérité、独: Wahrheit)は、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。真実とも。 西欧哲学において、真理論(英語: truth theory, theory of truth)は論理学や認識論においてとりわけ主題化される。真理は、現実や事実と異なり、妨害・障害としての虚偽・誤謬を対義語としており、露わさ、明らかさ、隠れなさに重点がある。そのものありのままであり、あらわであり、その本質が覆われていない、という意義に関しては、哲学的には本質主義や同一性とも関わりが深い。 論証する、つまり、言語による表現であることが真理に不可欠であり、哲学的にはロゴスとも関わりが深い。東洋にはという概念もある。 人間を自由にするものとしての真理が説かれることもある。キリスト教では「真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8章32節) 」と説かれている。仏教では、人間を苦しみから解放する真理をあらわす「法」が説かれる。

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  • 真理(しんり、希: ἀλήθεια、羅: veritas、英: truth、仏: vérité、独: Wahrheit)は、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。真実とも。 西欧哲学において、真理論(英語: truth theory, theory of truth)は論理学や認識論においてとりわけ主題化される。真理は、現実や事実と異なり、妨害・障害としての虚偽・誤謬を対義語としており、露わさ、明らかさ、隠れなさに重点がある。そのものありのままであり、あらわであり、その本質が覆われていない、という意義に関しては、哲学的には本質主義や同一性とも関わりが深い。 真理論の歴史は、古代ギリシアに始まる。人間を尺度とする相対的なものの見方に反論する形で、永遠性・普遍性を有する真理の概念が生まれた。このような絶対性を内実とするは独断主義を生み、これに対する防衛・反抗が懐疑主義を生んだ。そのどちらにも陥らず、確実な知識の基礎付けを求めて近代の認識論が始まり、その後、真理の担い手が思惟・観念・判断、命題、「事物」(羅:res、レス)等のいずれであるか、について議論がなされてきた。現代論理学では真理の担い手は命題であるとされ、真と偽を合わせて真理値という。論理学で、「Pは○か○でないかのいずれかである(○であり、かつ○でない、ということはない)」という形をした文は○の内容に関係なく正しいので、これは「形式的真理」と呼ばれ、思惟と思惟自身の一致と定義される。このような形式的な形相についてではなく、質料について真理が語られるときは「実体的真理」という。判断について真理が語られるときを「認識論的真理」といい、存在について真理が語られるときを「存在論的真理」という。現代の真理概念は様々な形で修正を受け、相対的な傾向を強めている。 論証する、つまり、言語による表現であることが真理に不可欠であり、哲学的にはロゴスとも関わりが深い。東洋にはという概念もある。 人間を自由にするものとしての真理が説かれることもある。キリスト教では「真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8章32節) 」と説かれている。仏教では、人間を苦しみから解放する真理をあらわす「法」が説かれる。 (ja)
  • 真理(しんり、希: ἀλήθεια、羅: veritas、英: truth、仏: vérité、独: Wahrheit)は、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。真実とも。 西欧哲学において、真理論(英語: truth theory, theory of truth)は論理学や認識論においてとりわけ主題化される。真理は、現実や事実と異なり、妨害・障害としての虚偽・誤謬を対義語としており、露わさ、明らかさ、隠れなさに重点がある。そのものありのままであり、あらわであり、その本質が覆われていない、という意義に関しては、哲学的には本質主義や同一性とも関わりが深い。 真理論の歴史は、古代ギリシアに始まる。人間を尺度とする相対的なものの見方に反論する形で、永遠性・普遍性を有する真理の概念が生まれた。このような絶対性を内実とするは独断主義を生み、これに対する防衛・反抗が懐疑主義を生んだ。そのどちらにも陥らず、確実な知識の基礎付けを求めて近代の認識論が始まり、その後、真理の担い手が思惟・観念・判断、命題、「事物」(羅:res、レス)等のいずれであるか、について議論がなされてきた。現代論理学では真理の担い手は命題であるとされ、真と偽を合わせて真理値という。論理学で、「Pは○か○でないかのいずれかである(○であり、かつ○でない、ということはない)」という形をした文は○の内容に関係なく正しいので、これは「形式的真理」と呼ばれ、思惟と思惟自身の一致と定義される。このような形式的な形相についてではなく、質料について真理が語られるときは「実体的真理」という。判断について真理が語られるときを「認識論的真理」といい、存在について真理が語られるときを「存在論的真理」という。現代の真理概念は様々な形で修正を受け、相対的な傾向を強めている。 論証する、つまり、言語による表現であることが真理に不可欠であり、哲学的にはロゴスとも関わりが深い。東洋にはという概念もある。 人間を自由にするものとしての真理が説かれることもある。キリスト教では「真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8章32節) 」と説かれている。仏教では、人間を苦しみから解放する真理をあらわす「法」が説かれる。 (ja)
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  • ニーチェ (ja)
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  • ジェームス (ja)
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  • フレーゲは真理述語が有する問題に初めて着目し、これを定義不能であるとした。 (ja)
  • (画像左)ライプニッツ(画像右)ヘーゲル (ja)
  • (画像左)ニーチェ(画像右)ジェームス (ja)
  • (画像左)意味論的真理概念で真理論に革命的変化をもたらしたタルスキ(画像右)意味論的真理概念と科学的実在論を結びつけたポパー (ja)
  • (画像左)パース(画像右)ハーバーマス (ja)
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  • Young frege.jpg (ja)
  • William James b1842c.jpg (ja)
  • Karl Popper.jpg (ja)
  • Hegel portrait by Schlesinger 1831.jpg (ja)
  • Gottfried Wilhelm von Leibniz.jpg (ja)
  • Charles Sanders Peirce theb3558.jpg (ja)
  • JuergenHabermas.jpg (ja)
  • Nietzsche1882.jpg (ja)
  • AlfredTarski1968.jpeg (ja)
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  • 真理(しんり、希: ἀλήθεια、羅: veritas、英: truth、仏: vérité、独: Wahrheit)は、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。真実とも。 西欧哲学において、真理論(英語: truth theory, theory of truth)は論理学や認識論においてとりわけ主題化される。真理は、現実や事実と異なり、妨害・障害としての虚偽・誤謬を対義語としており、露わさ、明らかさ、隠れなさに重点がある。そのものありのままであり、あらわであり、その本質が覆われていない、という意義に関しては、哲学的には本質主義や同一性とも関わりが深い。 論証する、つまり、言語による表現であることが真理に不可欠であり、哲学的にはロゴスとも関わりが深い。東洋にはという概念もある。 人間を自由にするものとしての真理が説かれることもある。キリスト教では「真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8章32節) 」と説かれている。仏教では、人間を苦しみから解放する真理をあらわす「法」が説かれる。 (ja)
  • 真理(しんり、希: ἀλήθεια、羅: veritas、英: truth、仏: vérité、独: Wahrheit)は、確実な根拠によって本当であると認められたこと。ありのまま誤りなく認識されたことのあり方。真実とも。 西欧哲学において、真理論(英語: truth theory, theory of truth)は論理学や認識論においてとりわけ主題化される。真理は、現実や事実と異なり、妨害・障害としての虚偽・誤謬を対義語としており、露わさ、明らかさ、隠れなさに重点がある。そのものありのままであり、あらわであり、その本質が覆われていない、という意義に関しては、哲学的には本質主義や同一性とも関わりが深い。 論証する、つまり、言語による表現であることが真理に不可欠であり、哲学的にはロゴスとも関わりが深い。東洋にはという概念もある。 人間を自由にするものとしての真理が説かれることもある。キリスト教では「真理はあなたたちを自由にする(ヨハネ8章32節) 」と説かれている。仏教では、人間を苦しみから解放する真理をあらわす「法」が説かれる。 (ja)
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