用行組事件(ようぎょうぐみじけん)は、江戸時代に長崎で起きた事件。 用行組は、長崎奉行の松浦信正が長崎貿易の改革のために抜擢した地役人たちのことで、彼らの不正が宝暦3年(1753年)に発覚したことが発端となり、松浦信正も処罰されている。処罰された地下役人とその罪状については『犯科帳』と『御仕置伺集』の「村山庄右(左)衛門諸向勘定不埒一件」に記載されている。 ただし、「用行組」という名称は『長崎略史』(金井俊行編)にのみ記されており、他の文献には出て来ない。『御仕置伺集』では、松浦信正はこの事件で処罰された村山庄左衛門を「商売方会所取締り」に任命したとなっており、歴史学者の鈴木康子はこの「商売方会所」が『長崎略史』に書かれた「用行組」を指しているものと考えている。