燃焼(ねんしょう)とは、燃料(可燃物)が光や熱の発生を伴って、激しく支燃物(主に酸素分子など)と反応する化学反応(酸化還元反応)である。燃焼に必要な支燃物は、空気中の燃焼であれば主に酸素分子がその役割を果たすが、適切な酸化剤と還元剤の組み合わせ(火薬類など)が存在する場合は、酸素分子の供給が無くても燃焼は起こる。燃焼を起こすには燃料と支燃物に加えて、反応を開始するのに十分な熱エネルギーを必要とする。燃料の酸化反応は通常は発熱反応として進行し、反応開始後は必要な熱エネルギーを継続的に得ることができる状態となる。 狭義には可燃物と酸素分子との反応のみを燃焼と定義する場合もあるが、この場合、上述の酸素分子の供給がなくとも進行する火薬の燃焼などは含まれないことになる。より広義には、燃料の構成元素と酸素原子との化合以外に、酸素の代わりとして塩素やフッ素などと反応する酸化反応も含める場合もある。 また、生体内で起こる穏やかな酸化反応(ブドウ糖が酸化されて水と二酸化炭素になる反応など)に対して比喩的に燃焼という表現が使われる場合もあるが、定義的に区別されるものである。 特に気体の燃焼現象は炎または火炎と呼ばれる。火は燃焼現象(特に発光を伴う場合)を指す一般的な名称である。燃焼には炎を有する有炎燃焼と有しない無炎燃焼(燻焼)があり、線香の火やタバコの火は無炎燃焼の例である。