熱水噴出孔(ねっすいふんしゅつこう、英語: hydrothermal vent)は、地熱で熱せられた水が噴出する大地の亀裂である。広義の熱水噴出孔としては温泉・噴気孔・間欠泉が含まれるが、狭義にはこれらの陸上にあるものではなく、海底環境、特に深海の熱水噴出孔(深海熱水噴出孔)を指す。熱水噴出孔の英語表記やその構造物から、ベント(vent)やチムニー(chimney)と呼ばれることもある。 熱水噴出孔の大半は、火山活動が活発な海域(発散的プレート境界、海盆、ホットスポット)から発見されている。吹き出す熱水は数百度にも達する事があり、溶存成分として重金属や硫化水素を豊富に含むものも知られている。海底から噴出する熱水に含まれる金属などが析出・沈殿してチムニーと呼ばれる構造物ができる場合がある。熱水の溶存成分によってはチムニーから黒色や白色の煙が吹き出しているように見えるため、一部の熱水噴出孔は「ブラックスモーカー」や「ホワイトスモーカー」と呼称される場合もある。また、熱水噴出孔の作用によって形成された岩石および鉱石堆積物を熱水堆積物と呼ぶ。 地球外では、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンケラドスにおいても熱水活動が活発であり、熱水噴出孔が存在するとみられている。また、古代には火星面にも存在したと考えられている。