海王星のトロヤ群(Neptune trojan)は、海王星とほぼ同じ軌道を同じ周期で公転する小惑星である。現在、海王星のトロヤ群は17個が知られており、そのうち13個は、海王星を60°先行する太陽-海王星系のL4ラグランジュ点付近、4つは海王星から60°後方に位置するL5ラグランジュ点付近に存在する。海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群に習って「トロヤ群」という用語が用いられている。 大きな軌道傾斜角を持つの発見は、トロヤ群の「厚い」雲の可能性を示す意味で重要であった(木星のトロヤ群の軌道傾斜角は最大40°である)。これは、衝突による形成ではなく、凍結による捕獲を示す。半径100km程度の大きな海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群と比べて何桁も多い可能性があると考えられた。 2010年、初めてのL5ラグランジュ点のトロヤ群である2008 LC18の発見が公表された。海王星のL5領域は、現在、恒星が非常に多く集まる銀河系の中心と視線方向が重なり、非常に観測しにくい位置にある。 ニュー・ホライズンズは冥王星への途上、海王星のL5にあるの1.2au以内を通過した。この時にニュー・ホライズンズによる観測が検討されたものの、地球とのデータ通信量の制約により冥王星のフライバイへの準備を優先することとなったため、観測は行なわれなかった。

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  • 海王星のトロヤ群(Neptune trojan)は、海王星とほぼ同じ軌道を同じ周期で公転する小惑星である。現在、海王星のトロヤ群は17個が知られており、そのうち13個は、海王星を60°先行する太陽-海王星系のL4ラグランジュ点付近、4つは海王星から60°後方に位置するL5ラグランジュ点付近に存在する。海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群に習って「トロヤ群」という用語が用いられている。 大きな軌道傾斜角を持つの発見は、トロヤ群の「厚い」雲の可能性を示す意味で重要であった(木星のトロヤ群の軌道傾斜角は最大40°である)。これは、衝突による形成ではなく、凍結による捕獲を示す。半径100km程度の大きな海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群と比べて何桁も多い可能性があると考えられた。 2010年、初めてのL5ラグランジュ点のトロヤ群である2008 LC18の発見が公表された。海王星のL5領域は、現在、恒星が非常に多く集まる銀河系の中心と視線方向が重なり、非常に観測しにくい位置にある。 ニュー・ホライズンズは冥王星への途上、海王星のL5にあるの1.2au以内を通過した。この時にニュー・ホライズンズによる観測が検討されたものの、地球とのデータ通信量の制約により冥王星のフライバイへの準備を優先することとなったため、観測は行なわれなかった。 (ja)
  • 海王星のトロヤ群(Neptune trojan)は、海王星とほぼ同じ軌道を同じ周期で公転する小惑星である。現在、海王星のトロヤ群は17個が知られており、そのうち13個は、海王星を60°先行する太陽-海王星系のL4ラグランジュ点付近、4つは海王星から60°後方に位置するL5ラグランジュ点付近に存在する。海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群に習って「トロヤ群」という用語が用いられている。 大きな軌道傾斜角を持つの発見は、トロヤ群の「厚い」雲の可能性を示す意味で重要であった(木星のトロヤ群の軌道傾斜角は最大40°である)。これは、衝突による形成ではなく、凍結による捕獲を示す。半径100km程度の大きな海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群と比べて何桁も多い可能性があると考えられた。 2010年、初めてのL5ラグランジュ点のトロヤ群である2008 LC18の発見が公表された。海王星のL5領域は、現在、恒星が非常に多く集まる銀河系の中心と視線方向が重なり、非常に観測しにくい位置にある。 ニュー・ホライズンズは冥王星への途上、海王星のL5にあるの1.2au以内を通過した。この時にニュー・ホライズンズによる観測が検討されたものの、地球とのデータ通信量の制約により冥王星のフライバイへの準備を優先することとなったため、観測は行なわれなかった。 (ja)
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  • 海王星のトロヤ群(Neptune trojan)は、海王星とほぼ同じ軌道を同じ周期で公転する小惑星である。現在、海王星のトロヤ群は17個が知られており、そのうち13個は、海王星を60°先行する太陽-海王星系のL4ラグランジュ点付近、4つは海王星から60°後方に位置するL5ラグランジュ点付近に存在する。海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群に習って「トロヤ群」という用語が用いられている。 大きな軌道傾斜角を持つの発見は、トロヤ群の「厚い」雲の可能性を示す意味で重要であった(木星のトロヤ群の軌道傾斜角は最大40°である)。これは、衝突による形成ではなく、凍結による捕獲を示す。半径100km程度の大きな海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群と比べて何桁も多い可能性があると考えられた。 2010年、初めてのL5ラグランジュ点のトロヤ群である2008 LC18の発見が公表された。海王星のL5領域は、現在、恒星が非常に多く集まる銀河系の中心と視線方向が重なり、非常に観測しにくい位置にある。 ニュー・ホライズンズは冥王星への途上、海王星のL5にあるの1.2au以内を通過した。この時にニュー・ホライズンズによる観測が検討されたものの、地球とのデータ通信量の制約により冥王星のフライバイへの準備を優先することとなったため、観測は行なわれなかった。 (ja)
  • 海王星のトロヤ群(Neptune trojan)は、海王星とほぼ同じ軌道を同じ周期で公転する小惑星である。現在、海王星のトロヤ群は17個が知られており、そのうち13個は、海王星を60°先行する太陽-海王星系のL4ラグランジュ点付近、4つは海王星から60°後方に位置するL5ラグランジュ点付近に存在する。海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群に習って「トロヤ群」という用語が用いられている。 大きな軌道傾斜角を持つの発見は、トロヤ群の「厚い」雲の可能性を示す意味で重要であった(木星のトロヤ群の軌道傾斜角は最大40°である)。これは、衝突による形成ではなく、凍結による捕獲を示す。半径100km程度の大きな海王星のトロヤ群は、木星のトロヤ群と比べて何桁も多い可能性があると考えられた。 2010年、初めてのL5ラグランジュ点のトロヤ群である2008 LC18の発見が公表された。海王星のL5領域は、現在、恒星が非常に多く集まる銀河系の中心と視線方向が重なり、非常に観測しにくい位置にある。 ニュー・ホライズンズは冥王星への途上、海王星のL5にあるの1.2au以内を通過した。この時にニュー・ホライズンズによる観測が検討されたものの、地球とのデータ通信量の制約により冥王星のフライバイへの準備を優先することとなったため、観測は行なわれなかった。 (ja)
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  • 海王星のトロヤ群 (ja)
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