『死命』(しめい)は、作家・薬丸岳が著したミステリー小説である。2012年4月25日に単行本、2014年11月7日に文庫本 が文藝春秋から刊行された。 2019年5月にテレビ朝日系において、『ドラマスペシャル 死命〜刑事のタイムリミット〜』のタイトルでテレビドラマ化された 。 本作はスキルス胃がんを患い、連続殺人犯へと変貌を遂げた青年・榊信一を追うことに生涯を懸ける刑事の蒼井凌、相棒の若手刑事である矢部知樹、そして榊の恋人である山口澄乃の4人の視点から語られている。文芸評論家の郷原宏は、本作について「“死ぬべきいのち”と“生きるか死ぬかの急所”の2つの意味を持つ“死命”を描くことで生きるとは何かを問いかける哲学的なミステリーである」と語っており、著者の薬丸について「異常な殺人衝動に侵された人間をさりげなく一般人の中に息づかせるように描き出せる」作家であると評している。