『武州公秘話』(ぶしゅうこうひわ)は、谷崎潤一郎の小説である。 博文館の雑誌『新青年』に、1931年10月号から1932年11月号まで連載された。当初は1年間の連載の予定であったが、予定期間を過ぎても完結しなかったため、第12回で中断された。谷崎は『新青年』1933年2月号で続篇の執筆を予告したが、結局、執筆されずに終わっている。その後、加筆修正を経て、1935年10月に中央公論社より刊行された。単行本には「摂陽漁夫」(谷崎自身の号)による漢文の「武州公秘話序」と、正宗白鳥による跋がつけられている。 戦国時代に舞台をとって、奇矯な行動をとった一人の武士の生き方を描いている。