数学において、集合が有限(ゆうげん、英語: finite)であるとは、自然数 n を用いて {1, 2, ..., n} という形にあらわされる集合との間に全単射が存在することをいう(ただしここでは、n = 0 の場合も許される。この場合は空集合であることを意味するのであり、これも有限集合の一種と考えるということである)。このような集合を有限集合(ゆうげんしゅうごう、英語: finite set)とよび、有限でない集合を無限集合と呼ぶ。 また同じことだが、集合が有限であるとはその濃度(元の個数)が自然数である場合にいう。特に、濃度が n である集合を「n 元集合(n-set)」と総称する。例えば、−15 から 3 まで(両端を含まない)の整数の集合は17個の元があり、有限である。したがってこれは17元集合である。一方、全ての素数たちの成す集合は の濃度を持つ無限集合である。 どんな真部分集合との間にも全単射が存在しないような集合は、デデキント有限集合と呼ばれる。可算選択公理(弱い形の選択公理)が成り立つなら、集合が有限であることとデデキント有限であることは同値である。そうでない場合には(奇異なことに)無限かつデデキント有限な集合が存在しうる(「基礎付け問題」の節を参照)。