月称(げっしょう、梵: Candrakīrti, チャンドラキールティ)は、7世紀のインド仏教の中観派の思想家・注釈家である。ナーランダ僧院で学んだ学生の一人。 ナーガールジュナ(龍樹)の『中論』の注釈に関連して仏護を批判した清弁への再批判を行って帰謬論法の有効性を主張し、中観派における帰謬論証派(プラーサンギカ)と自立論証派(スヴァータントリカ)の二派対立の端緒になった。 主著の『入中論』においては、克明な唯識批判を行った。また、ナーガールジュナやアーリヤデーヴァの著作に対する注釈を著した(を参照)。 月称はチベットで論師として重視され、諸作品はチベット大蔵経に収められている。