放射状雲(ほうしゃじょううん、radiatus)とは、平行に並んでいる細長い帯状の雲が、地上から観測することで遠近法により放射状(放射線状)に並んで見えるもの。巻雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲に現れる。雲形分類では、「雲塊の配列による分類」にあたる変種の1つ。 学術名"radiatus"は、ラテン語で「放射している」という意味があり、これに因んで名付けられた。 上空から、例えば地表からの高度が数十~数万kmの人工衛星から見て、平行に並ぶ細長い雲列があるとする。これを地上から見ると、空の端の1点または2点から放射状に並ぶ細長い雲列に見える。これは、雲と観測者の位置関係の違いによって起こる。上空では観測者と雲の距離は雲列のどの地点を取ってみてもほとんど同じなので、同じくらいの大きさに見える。しかし、地上では観測者に近い雲との距離(数百m~数千m)と遠い雲(最大数十~数百km)との距離は大きな差があるので、近い雲は大きく、遠い雲は小さく見える遠近法の原理により放射状に見える。 ただし、もともと上空から見ても、並行ではない放射状の雲列を含めることもある。これは、地上の1地点から観測しただけでは、本当は平行か放射状か判断するのが難しいためであり、2地点または3地点から観測すると判断可能になる。 波状雲と似た所が多いが、平行(波状)か放射状か、という見かけ上の並びで区別し、それ以外に大差は無い。

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  • 放射状雲(ほうしゃじょううん、radiatus)とは、平行に並んでいる細長い帯状の雲が、地上から観測することで遠近法により放射状(放射線状)に並んで見えるもの。巻雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲に現れる。雲形分類では、「雲塊の配列による分類」にあたる変種の1つ。 学術名"radiatus"は、ラテン語で「放射している」という意味があり、これに因んで名付けられた。 上空から、例えば地表からの高度が数十~数万kmの人工衛星から見て、平行に並ぶ細長い雲列があるとする。これを地上から見ると、空の端の1点または2点から放射状に並ぶ細長い雲列に見える。これは、雲と観測者の位置関係の違いによって起こる。上空では観測者と雲の距離は雲列のどの地点を取ってみてもほとんど同じなので、同じくらいの大きさに見える。しかし、地上では観測者に近い雲との距離(数百m~数千m)と遠い雲(最大数十~数百km)との距離は大きな差があるので、近い雲は大きく、遠い雲は小さく見える遠近法の原理により放射状に見える。 ただし、もともと上空から見ても、並行ではない放射状の雲列を含めることもある。これは、地上の1地点から観測しただけでは、本当は平行か放射状か判断するのが難しいためであり、2地点または3地点から観測すると判断可能になる。 トランスバースラインやシーラスストリークなどのジェット巻雲ではかなりの高確率で出現する雲変種。高積雲や積雲など他の雲種で出現した場合も含め、悪天候が近いときに出現する雲である。 また、何十本ものすじ状の雲が放射状になった姿は不気味で、地震の前兆である地震雲ではないかと言われることも多い。ただ、気象性の雲として説明できる場合も多い。 波状雲と似た所が多いが、平行(波状)か放射状か、という見かけ上の並びで区別し、それ以外に大差は無い。 (ja)
  • 放射状雲(ほうしゃじょううん、radiatus)とは、平行に並んでいる細長い帯状の雲が、地上から観測することで遠近法により放射状(放射線状)に並んで見えるもの。巻雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲に現れる。雲形分類では、「雲塊の配列による分類」にあたる変種の1つ。 学術名"radiatus"は、ラテン語で「放射している」という意味があり、これに因んで名付けられた。 上空から、例えば地表からの高度が数十~数万kmの人工衛星から見て、平行に並ぶ細長い雲列があるとする。これを地上から見ると、空の端の1点または2点から放射状に並ぶ細長い雲列に見える。これは、雲と観測者の位置関係の違いによって起こる。上空では観測者と雲の距離は雲列のどの地点を取ってみてもほとんど同じなので、同じくらいの大きさに見える。しかし、地上では観測者に近い雲との距離(数百m~数千m)と遠い雲(最大数十~数百km)との距離は大きな差があるので、近い雲は大きく、遠い雲は小さく見える遠近法の原理により放射状に見える。 ただし、もともと上空から見ても、並行ではない放射状の雲列を含めることもある。これは、地上の1地点から観測しただけでは、本当は平行か放射状か判断するのが難しいためであり、2地点または3地点から観測すると判断可能になる。 トランスバースラインやシーラスストリークなどのジェット巻雲ではかなりの高確率で出現する雲変種。高積雲や積雲など他の雲種で出現した場合も含め、悪天候が近いときに出現する雲である。 また、何十本ものすじ状の雲が放射状になった姿は不気味で、地震の前兆である地震雲ではないかと言われることも多い。ただ、気象性の雲として説明できる場合も多い。 波状雲と似た所が多いが、平行(波状)か放射状か、という見かけ上の並びで区別し、それ以外に大差は無い。 (ja)
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  • 放射線状の細長い雲の羅列 (ja)
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  • 放射状雲(ほうしゃじょううん、radiatus)とは、平行に並んでいる細長い帯状の雲が、地上から観測することで遠近法により放射状(放射線状)に並んで見えるもの。巻雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲に現れる。雲形分類では、「雲塊の配列による分類」にあたる変種の1つ。 学術名"radiatus"は、ラテン語で「放射している」という意味があり、これに因んで名付けられた。 上空から、例えば地表からの高度が数十~数万kmの人工衛星から見て、平行に並ぶ細長い雲列があるとする。これを地上から見ると、空の端の1点または2点から放射状に並ぶ細長い雲列に見える。これは、雲と観測者の位置関係の違いによって起こる。上空では観測者と雲の距離は雲列のどの地点を取ってみてもほとんど同じなので、同じくらいの大きさに見える。しかし、地上では観測者に近い雲との距離(数百m~数千m)と遠い雲(最大数十~数百km)との距離は大きな差があるので、近い雲は大きく、遠い雲は小さく見える遠近法の原理により放射状に見える。 ただし、もともと上空から見ても、並行ではない放射状の雲列を含めることもある。これは、地上の1地点から観測しただけでは、本当は平行か放射状か判断するのが難しいためであり、2地点または3地点から観測すると判断可能になる。 波状雲と似た所が多いが、平行(波状)か放射状か、という見かけ上の並びで区別し、それ以外に大差は無い。 (ja)
  • 放射状雲(ほうしゃじょううん、radiatus)とは、平行に並んでいる細長い帯状の雲が、地上から観測することで遠近法により放射状(放射線状)に並んで見えるもの。巻雲、高積雲、高層雲、層積雲、積雲に現れる。雲形分類では、「雲塊の配列による分類」にあたる変種の1つ。 学術名"radiatus"は、ラテン語で「放射している」という意味があり、これに因んで名付けられた。 上空から、例えば地表からの高度が数十~数万kmの人工衛星から見て、平行に並ぶ細長い雲列があるとする。これを地上から見ると、空の端の1点または2点から放射状に並ぶ細長い雲列に見える。これは、雲と観測者の位置関係の違いによって起こる。上空では観測者と雲の距離は雲列のどの地点を取ってみてもほとんど同じなので、同じくらいの大きさに見える。しかし、地上では観測者に近い雲との距離(数百m~数千m)と遠い雲(最大数十~数百km)との距離は大きな差があるので、近い雲は大きく、遠い雲は小さく見える遠近法の原理により放射状に見える。 ただし、もともと上空から見ても、並行ではない放射状の雲列を含めることもある。これは、地上の1地点から観測しただけでは、本当は平行か放射状か判断するのが難しいためであり、2地点または3地点から観測すると判断可能になる。 波状雲と似た所が多いが、平行(波状)か放射状か、という見かけ上の並びで区別し、それ以外に大差は無い。 (ja)
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  • 放射状雲 (ja)
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