広義の控車(ひかえしゃ)とは、次のような目的を持つ鉄道車両。 狭義には事業用車の一種で、車両形式記号「ヒ」として区別される貨車(下記の1及び2)をさす。 1. * 曲線の多い貨物駅や臨港線等で、連結器の偏向を減らし連結作業を容易にするために機関車に連結される車両。 2. * 鉄道連絡船への航送車両積み込みの際、船舶に機関車の重量をかけないために連結する車両。 3. * 操重車の回送時にクレーンブームを収納するための車両。主に長物車が使用される。 4. * 貨車の車長より長い貨物を輸送したり、車体が連結器よりも先に伸びている車両を運用する際に、張出分を補償するため、その前後に連結する車両。本来は遊車と呼ぶべき物である。二軸の長物車を使用することが多い。 5. * 車両工場等で、建物内に車両を押し込む際、機関車が建物内にまで入らなくてよいように、あるいは架線のない場所にまで押し込むことが可能なように間に連結する車両。他の目的と兼用されることが多い。 6. * トロッコ列車で、荒天時やトロッコ車両に乗車できない区間において、乗客が待機するための旅客車両のこと。 7. * 動態保存機関車や、一部の私有機関車等で、回送時に付属品や添乗員の輸送のために連結される客貨車。 8. * 連結器が異なる機関車と電車など、通常はお互いに連結できない車両を連結させる必要がある場合に、アダプタとして使用する車両。この場合の控車は、貨車とは限らない。同じ目的でも甲種鉄道車両輸送時に連結される場合は通常遊車と呼ばれる。ただし、1960年代前半に双頭型両用連結器の実用化により、双頭型両用連結器装備車両にはこの措置は基本的に不要となった。 9. * 危険物(火薬類や核物質)の輸送や混合列車において、安全のために機関車や客車などの有人車両と貨物の間の離隔距離を確保する目的で

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  • 広義の控車(ひかえしゃ)とは、次のような目的を持つ鉄道車両。 狭義には事業用車の一種で、車両形式記号「ヒ」として区別される貨車(下記の1及び2)をさす。 1. * 曲線の多い貨物駅や臨港線等で、連結器の偏向を減らし連結作業を容易にするために機関車に連結される車両。 2. * 鉄道連絡船への航送車両積み込みの際、船舶に機関車の重量をかけないために連結する車両。 3. * 操重車の回送時にクレーンブームを収納するための車両。主に長物車が使用される。 4. * 貨車の車長より長い貨物を輸送したり、車体が連結器よりも先に伸びている車両を運用する際に、張出分を補償するため、その前後に連結する車両。本来は遊車と呼ぶべき物である。二軸の長物車を使用することが多い。 5. * 車両工場等で、建物内に車両を押し込む際、機関車が建物内にまで入らなくてよいように、あるいは架線のない場所にまで押し込むことが可能なように間に連結する車両。他の目的と兼用されることが多い。 6. * トロッコ列車で、荒天時やトロッコ車両に乗車できない区間において、乗客が待機するための旅客車両のこと。 7. * 動態保存機関車や、一部の私有機関車等で、回送時に付属品や添乗員の輸送のために連結される客貨車。 8. * 連結器が異なる機関車と電車など、通常はお互いに連結できない車両を連結させる必要がある場合に、アダプタとして使用する車両。この場合の控車は、貨車とは限らない。同じ目的でも甲種鉄道車両輸送時に連結される場合は通常遊車と呼ばれる。ただし、1960年代前半に双頭型両用連結器の実用化により、双頭型両用連結器装備車両にはこの措置は基本的に不要となった。 9. * 危険物(火薬類や核物質)の輸送や混合列車において、安全のために機関車や客車などの有人車両と貨物の間の離隔距離を確保する目的で機関車と客車、あるいは貨車と客車の間に連結される無人の車両。 (ja)
  • 広義の控車(ひかえしゃ)とは、次のような目的を持つ鉄道車両。 狭義には事業用車の一種で、車両形式記号「ヒ」として区別される貨車(下記の1及び2)をさす。 1. * 曲線の多い貨物駅や臨港線等で、連結器の偏向を減らし連結作業を容易にするために機関車に連結される車両。 2. * 鉄道連絡船への航送車両積み込みの際、船舶に機関車の重量をかけないために連結する車両。 3. * 操重車の回送時にクレーンブームを収納するための車両。主に長物車が使用される。 4. * 貨車の車長より長い貨物を輸送したり、車体が連結器よりも先に伸びている車両を運用する際に、張出分を補償するため、その前後に連結する車両。本来は遊車と呼ぶべき物である。二軸の長物車を使用することが多い。 5. * 車両工場等で、建物内に車両を押し込む際、機関車が建物内にまで入らなくてよいように、あるいは架線のない場所にまで押し込むことが可能なように間に連結する車両。他の目的と兼用されることが多い。 6. * トロッコ列車で、荒天時やトロッコ車両に乗車できない区間において、乗客が待機するための旅客車両のこと。 7. * 動態保存機関車や、一部の私有機関車等で、回送時に付属品や添乗員の輸送のために連結される客貨車。 8. * 連結器が異なる機関車と電車など、通常はお互いに連結できない車両を連結させる必要がある場合に、アダプタとして使用する車両。この場合の控車は、貨車とは限らない。同じ目的でも甲種鉄道車両輸送時に連結される場合は通常遊車と呼ばれる。ただし、1960年代前半に双頭型両用連結器の実用化により、双頭型両用連結器装備車両にはこの措置は基本的に不要となった。 9. * 危険物(火薬類や核物質)の輸送や混合列車において、安全のために機関車や客車などの有人車両と貨物の間の離隔距離を確保する目的で機関車と客車、あるいは貨車と客車の間に連結される無人の車両。 (ja)
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  • 広義の控車(ひかえしゃ)とは、次のような目的を持つ鉄道車両。 狭義には事業用車の一種で、車両形式記号「ヒ」として区別される貨車(下記の1及び2)をさす。 1. * 曲線の多い貨物駅や臨港線等で、連結器の偏向を減らし連結作業を容易にするために機関車に連結される車両。 2. * 鉄道連絡船への航送車両積み込みの際、船舶に機関車の重量をかけないために連結する車両。 3. * 操重車の回送時にクレーンブームを収納するための車両。主に長物車が使用される。 4. * 貨車の車長より長い貨物を輸送したり、車体が連結器よりも先に伸びている車両を運用する際に、張出分を補償するため、その前後に連結する車両。本来は遊車と呼ぶべき物である。二軸の長物車を使用することが多い。 5. * 車両工場等で、建物内に車両を押し込む際、機関車が建物内にまで入らなくてよいように、あるいは架線のない場所にまで押し込むことが可能なように間に連結する車両。他の目的と兼用されることが多い。 6. * トロッコ列車で、荒天時やトロッコ車両に乗車できない区間において、乗客が待機するための旅客車両のこと。 7. * 動態保存機関車や、一部の私有機関車等で、回送時に付属品や添乗員の輸送のために連結される客貨車。 8. * 連結器が異なる機関車と電車など、通常はお互いに連結できない車両を連結させる必要がある場合に、アダプタとして使用する車両。この場合の控車は、貨車とは限らない。同じ目的でも甲種鉄道車両輸送時に連結される場合は通常遊車と呼ばれる。ただし、1960年代前半に双頭型両用連結器の実用化により、双頭型両用連結器装備車両にはこの措置は基本的に不要となった。 9. * 危険物(火薬類や核物質)の輸送や混合列車において、安全のために機関車や客車などの有人車両と貨物の間の離隔距離を確保する目的で (ja)
  • 広義の控車(ひかえしゃ)とは、次のような目的を持つ鉄道車両。 狭義には事業用車の一種で、車両形式記号「ヒ」として区別される貨車(下記の1及び2)をさす。 1. * 曲線の多い貨物駅や臨港線等で、連結器の偏向を減らし連結作業を容易にするために機関車に連結される車両。 2. * 鉄道連絡船への航送車両積み込みの際、船舶に機関車の重量をかけないために連結する車両。 3. * 操重車の回送時にクレーンブームを収納するための車両。主に長物車が使用される。 4. * 貨車の車長より長い貨物を輸送したり、車体が連結器よりも先に伸びている車両を運用する際に、張出分を補償するため、その前後に連結する車両。本来は遊車と呼ぶべき物である。二軸の長物車を使用することが多い。 5. * 車両工場等で、建物内に車両を押し込む際、機関車が建物内にまで入らなくてよいように、あるいは架線のない場所にまで押し込むことが可能なように間に連結する車両。他の目的と兼用されることが多い。 6. * トロッコ列車で、荒天時やトロッコ車両に乗車できない区間において、乗客が待機するための旅客車両のこと。 7. * 動態保存機関車や、一部の私有機関車等で、回送時に付属品や添乗員の輸送のために連結される客貨車。 8. * 連結器が異なる機関車と電車など、通常はお互いに連結できない車両を連結させる必要がある場合に、アダプタとして使用する車両。この場合の控車は、貨車とは限らない。同じ目的でも甲種鉄道車両輸送時に連結される場合は通常遊車と呼ばれる。ただし、1960年代前半に双頭型両用連結器の実用化により、双頭型両用連結器装備車両にはこの措置は基本的に不要となった。 9. * 危険物(火薬類や核物質)の輸送や混合列車において、安全のために機関車や客車などの有人車両と貨物の間の離隔距離を確保する目的で (ja)
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  • 控車 (ja)
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