『拝月亭』(はいげつてい)は元末の施恵の作と伝えられる全40齣(幕)からなる南戯。『幽閨記』(ゆうけいき)とも呼ぶ。「拝劉荊殺」と呼ばれる四大南戯(拝月亭・劉智遠・荊釵記・殺狗記)のひとつだが、他の3作品が貞節な夫人の苦難を内容とするのに対して『拝月亭』は未婚の男女の離合悲歓を描いた愛情劇である点で異色である。元末の南戯としては『琵琶記』と並ぶ傑作に数えられる。