当て馬(あてうま)とは、馬の種付けの際に牝馬の発情を促し確認する行為や、当該行為のためにあてがわれる牡馬自体を指す通称である。馬産の用語としては試情馬(しじょうば)という。 サラブレッドの生産牧場には、一般的に、現役を引退した牡馬が当て馬専用に飼育されている。種牡馬場などにおける種付け前の当て馬としては、人気のない種牡馬・引退した種牡馬などのうち気性の温和な馬を使用する。当て馬により牝馬の発情を確認する際は、「エプロン」と呼ばれる腰当てが当て馬に装着されたり、壁越しに当て馬を近づけるなどされ、実際に交配が行われないように配慮される。牝馬の発情の有無が確認されると当て馬は牝馬から引き離される。 また、種牡馬として供用したものの成績が振るわなかったが、功労馬として牧場や種馬場でその後も飼養されている馬が当て馬の役も兼ねるケースは多く見られる(ヤマニングローバルなど)。 また、種牡馬としてほとんどの牝馬に興味を示さなかったウォーエンブレムには、好むタイプの牝馬で発情を促してから他の牝馬をあてがうという方法が試みられたことがある。一時的には成功したものの、やがて「好みのタイプではない」牝馬をあてがわれていることに気づいたウォーエンブレムは、交配を拒むようになった。
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