巡洋戦艦(じゅんようせんかん、英: Battlecruiser, 独: Schlachtkreuzer)は、強力な攻撃力と高速性能を持つ大型の戦闘艦を指す。巡洋艦の特徴である高速性能と運動性能、戦艦に匹敵する大口径砲による攻撃力を合わせもつ。代償として防御力を若干犠牲とする設計としている。装甲巡洋艦(Armored cruiser)を発展させた艦種であった。第二次世界大戦までは、戦艦とともに主力艦の扱いを受けた。速力を発揮するために、大出力機関と燃料貯蔵庫を有する。そのため、戦艦よりも長大な艦形となる。さらに機関を強化している関係上、同排水量の戦艦よりも建造費は嵩んだ。後期の艦では同期に建造された戦艦よりも排水量が大きくなり、その傾向は一層強くなった。 英名を直訳すると「戦闘巡洋艦」となる。この艦種を初めて1908年に建造したイギリス海軍の定義においては、広義では巡洋艦と位置付けられており、上記のような高速・運動性能と攻撃力を合わせもつことで、反撃を受けることなく敵の射程外から一方的に攻撃しようというコンセプトであった。 一方、日本海軍では「戦艦的巡洋艦(バトルシップ・クルーザー)」として扱われた。造艦面では、巡洋戦艦のコンセプトを先取りしたとも評される(筑波型)。運用面では多様な任務に従事すると共に、艦隊決戦において戦艦戦隊と行動を共にすることを前提としていた。