数学における対称テンソル(たいしょうテンソル、英: symmetric tensor)は、その r に関して、任意の r-次置換の作用に関して不変なテンソルを言う。 より具体的には、テンソルを多重線型写像 T と見るならば、その引数となるベクトルの任意の置換 σ について を満たすもの、あるいは座標を用いて成分で表すならば を満たすものである。 有限次元ベクトル空間 V 上のr-次対称テンソル全体の成す空間は、V 上の r-次斉次多項式全体の成す空間の双対に自然同型になる。標数 0 の体上では、対称テンソル全体の成す次数付きベクトル空間は V 上の対称代数に自然に同一視される。関連する概念として、反対称テンソルや交代形式がある。対称テンソルは工学、物理学、数学において広く生じる。