大法官(だいほうかん、英語: Lord Chancellor)は、イングランド・イギリスの官職である。中世に創設され、イギリスに現存する官職の中で最も古い官職と言われる。 中世以来国璽の管理にあたり、その権限を通じて様々な行政上の職務を管理下に置く大臣職となった。内閣に首相が登場してくるまで主要閣僚の地位を占めており、国務大官としては戴冠式の際にのみ任命される「大家令」に次ぐ地位にある。15世紀半ば頃から議会の上院(貴族院)議長も兼ねるようになった。 貴族院は2009年まで最高裁判所でもあったため司法機能も有したが、貴族院議長の役割は2005年の憲法改革法により削除された(代わって貴族院議長職が新設された)。現在の大法官はイギリスの内閣における司法省を所管する閣僚職という役割に限定されている。 臣下の宮中席次においてはカンタベリー大主教に次ぐ第二位であり、首相よりも上位者である。