加波山信仰(かばさんしんこう)は、茨城県桜川市と石岡市の境に位置する加波山に対する山岳信仰で、山頂に加波山権現と総称される本宮、中宮、親宮の3神社(かつてはそれぞれが宮寺一体の寺院であった)が鎮座し、農耕や漁業等の生業を始め、火災盗難除け、疫病除けの神徳を有すると関東一円にかけて広く信仰される。また古来修験道における霊場ともされ、山中には巨巌、奇岩、岩窟が、尾根沿いには小祠、石碑が散在し、現も信者による夏期の加波山禅定(かばさんぜんじょう)が行われる。 加波山は足尾山とともに筑波山を主峰とする連峰を形成しており、加波山に対する信仰は筑波山へのそれとも深く関わり、信仰内容も両山ほぼ共通しているが、関東地方一帯に掛けて筑波山以上の広範な信仰圏を有している。