初期キリスト教美術は、キリスト教初期段階の美術を指す。おそらく2世紀末から3世紀初頭に制作が開始されたと思われる。ローマ帝国勢力圏内で発生し、604年、教皇グレゴリウス1世の死まで続いた。古代ローマ末期の文化を母体として、政治的・宗教的状況の変化のはざまで、東方・西方世界それぞれに発展して行った。キリスト教独自の図像は、のちに神学体系の発展にともない、徐々に確立して行った。