八つ裂きの刑(やつざきのけい)とは世界各地で行われていた死刑の執行方法の一種。被処刑者の四肢を牛や馬などの動力源に結びつけ、それらを異なる方向に前進させることで肉体を引き裂き、死に至らしめるものである。古代ギリシャでは、「ディアスフェンドネーゼ」(松の木折り)といい、たわめて固定した2本の木の間に罪人を逆さ吊りに縛りつけ、木が元に戻ろうとする力で股を裂く方法も用いられた。最も重い死刑の形態であり、酷刑として知られる。恐怖の馬走としても知られる。 四つ裂き・車裂き、馬走とも呼ばれ、総称して引き裂き刑と呼ばれるが、中世ヨーロッパの「車裂きの刑」は引き裂き刑とは異なるものを指す。馬走は、足のみに括り付け人体を二分する刑のことでもある。