熊野古道の伊勢路(いせじ)とは、伊勢国・伊勢神宮から、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へ通じる参詣道であり、熊野参詣道のひとつである。伊勢神宮から熊野速玉大社までの総距離は約170km。 国の史跡「熊野参詣道」(2000年〈平成12年〉11月2日指定)の一部として、2002年(平成14年)12月19日に追加指定を受けている。2004年(平成16年)7月に登録されたユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の構成資産の一部。世界遺産登録区間は断続的に計32.9km。 古くから、伊勢神宮と熊野三山を結ぶ交通路で『東海道中膝栗毛』にも登場し、「伊勢へ七度、熊野へ三度」と呼ばれる信仰の路であった。紀伊路などの和歌山県側の古道が貴族にも多く利用されてきたのに対して、伊勢路は主に庶民が利用する道として歴史を重ねてきた。