『丹後国風土記』(たんごのくにふどき)は、丹後国(現在の京都府北部)の風土記。逸書であるため、内容は『釋日本紀』などでの引用によるしかない。風土記編纂が命じられたのが和銅6年(713年)であるため、原本は遅くとも8世紀中にはできていたと思われる。 数多くある風土記逸文の中でも比較的長文が残されており、最古の部類に入る浦島伝説、羽衣伝説の記述は万葉仮名書きの和歌が入っている点も含めて特筆すべきものである。他に、天橋立の伝承もある(下に挙げる和歌は漢字仮名交じり文で記す)。 また、これとは別に『丹後国風土記残缺』と呼ばれる風土記の写本の一部と伝えられているものが別に伝えられているが、これについては後世の偽書である可能性が高い。