ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、英: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez の逆関係の分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez は指数函数、z は任意の複素数とする。すなわち、W は z = f−1(zez) = W(zez) を満たす。 上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式 を得る。 函数 ƒ は単射ではないから、関係 W は(0 を除いて)多価である。仮に実数値の W に注意を制限するとすれば、複素変数 z は実変数 x に取り換えられ、関係の定義域は区間 x ≥ −1/e に限られ、また開区間 (−1/e, 0) 上で二価の函数になる。さらに制約条件として W ≥ −1 を追加すれば一価函数 W0(x) が定義されて、W0(0) = 0 および W0(−1/e) = −1 を得る。それと同時に、下側の枝は W ≤ −1 であって、W−1(x) と書かれる。これは W−1(−1/e) = −1 から W−1(−0) = −∞ まで単調減少する。

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  • ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、英: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez の逆関係の分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez は指数函数、z は任意の複素数とする。すなわち、W は z = f−1(zez) = W(zez) を満たす。 上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式 を得る。 函数 ƒ は単射ではないから、関係 W は(0 を除いて)多価である。仮に実数値の W に注意を制限するとすれば、複素変数 z は実変数 x に取り換えられ、関係の定義域は区間 x ≥ −1/e に限られ、また開区間 (−1/e, 0) 上で二価の函数になる。さらに制約条件として W ≥ −1 を追加すれば一価函数 W0(x) が定義されて、W0(0) = 0 および W0(−1/e) = −1 を得る。それと同時に、下側の枝は W ≤ −1 であって、W−1(x) と書かれる。これは W−1(−1/e) = −1 から W−1(−0) = −∞ まで単調減少する。 ランベルト W 関係は初等函数では表すことができない。ランベルト W は組合せ論において有用で、例えば木の数え上げに用いられる。指数函数を含む様々な方程式(例えばプランク分布、ボーズ–アインシュタイン分布、フェルミ–ディラック分布などの最大値)を解くのに用いられ、またy'(t) = ay(t − 1) のような の解としても生じる。生化学において、また特に酵素動力学において、ミカエリス–メンテン動力学の経時動力学解析に対する閉じた形の解はランベルト W 函数によって記述される。 (ja)
  • ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、英: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez の逆関係の分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez は指数函数、z は任意の複素数とする。すなわち、W は z = f−1(zez) = W(zez) を満たす。 上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式 を得る。 函数 ƒ は単射ではないから、関係 W は(0 を除いて)多価である。仮に実数値の W に注意を制限するとすれば、複素変数 z は実変数 x に取り換えられ、関係の定義域は区間 x ≥ −1/e に限られ、また開区間 (−1/e, 0) 上で二価の函数になる。さらに制約条件として W ≥ −1 を追加すれば一価函数 W0(x) が定義されて、W0(0) = 0 および W0(−1/e) = −1 を得る。それと同時に、下側の枝は W ≤ −1 であって、W−1(x) と書かれる。これは W−1(−1/e) = −1 から W−1(−0) = −∞ まで単調減少する。 ランベルト W 関係は初等函数では表すことができない。ランベルト W は組合せ論において有用で、例えば木の数え上げに用いられる。指数函数を含む様々な方程式(例えばプランク分布、ボーズ–アインシュタイン分布、フェルミ–ディラック分布などの最大値)を解くのに用いられ、またy'(t) = ay(t − 1) のような の解としても生じる。生化学において、また特に酵素動力学において、ミカエリス–メンテン動力学の経時動力学解析に対する閉じた形の解はランベルト W 函数によって記述される。 (ja)
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  • ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、英: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez の逆関係の分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez は指数函数、z は任意の複素数とする。すなわち、W は z = f−1(zez) = W(zez) を満たす。 上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式 を得る。 函数 ƒ は単射ではないから、関係 W は(0 を除いて)多価である。仮に実数値の W に注意を制限するとすれば、複素変数 z は実変数 x に取り換えられ、関係の定義域は区間 x ≥ −1/e に限られ、また開区間 (−1/e, 0) 上で二価の函数になる。さらに制約条件として W ≥ −1 を追加すれば一価函数 W0(x) が定義されて、W0(0) = 0 および W0(−1/e) = −1 を得る。それと同時に、下側の枝は W ≤ −1 であって、W−1(x) と書かれる。これは W−1(−1/e) = −1 から W−1(−0) = −∞ まで単調減少する。 (ja)
  • ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、英: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez の逆関係の分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez は指数函数、z は任意の複素数とする。すなわち、W は z = f−1(zez) = W(zez) を満たす。 上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式 を得る。 函数 ƒ は単射ではないから、関係 W は(0 を除いて)多価である。仮に実数値の W に注意を制限するとすれば、複素変数 z は実変数 x に取り換えられ、関係の定義域は区間 x ≥ −1/e に限られ、また開区間 (−1/e, 0) 上で二価の函数になる。さらに制約条件として W ≥ −1 を追加すれば一価函数 W0(x) が定義されて、W0(0) = 0 および W0(−1/e) = −1 を得る。それと同時に、下側の枝は W ≤ −1 であって、W−1(x) と書かれる。これは W−1(−1/e) = −1 から W−1(−0) = −∞ まで単調減少する。 (ja)
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  • ランベルトのW関数 (ja)
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