ラッコの保護活動は、20世紀初頭に始まった。当時、ラッコは大規模な商業狩猟により、絶滅の危機にあった。かつてラッコは北太平洋、すなわち北日本、アラスカ、メキシコに亘って広く分布していた。1911年までの毛皮目的の狩猟により、ラッコの個体数は人間の手が届かない辺境を中心とした2000頭にまで激減した。 その後20世紀の間に、ラッコの個体数はロシア極東部、西アラスカ、カリフォルニアの生き残りから増加した。1960年代からは、かつてラッコが生息した地域への人工的移動も進められ、北アメリカ西海岸に広く分布させることに成功した。その他にも若干だが成功した地域もあり、ラッコ保護活動は、海洋生物の保護活動 (Marine conservation) として最も成功した事業の1つと考えられている。