ヤルメラ(Yarumela、研究者によっては「ジャルメラ」とも)は、ホンジュラス中央部からやや東部のラパス県に位置する形成期段階の遺跡である。遺跡は、カリブ海にそそぐウルア(Ulua)川の支流、コマヤグア(Camayagua)川の一部をなす小河川であるウムヤ(Humaya)川の西岸、比高差10mほどの河岸段丘上でもひときわ小高くなった標高600m前後の島状の台地上に30ha近い範囲にわたってひろがり、中心部には少なくとも15基のマウンドが確認されている。原レンカ語を話す人々によって、紀元前1000年くらいから居住が開始され、A.D.200年頃まで営まれたであると考えられている。それより後の時代から後古典期にかけては、埋葬と居住は散在的にはみられるようであるが祭祀センターとしては機能していない状態となる。 ヤルメラはカリブ海と太平洋、メキシコ、グアテマラを結ぶ交易の要衝に位置していたため、形成期には、コマヤグア河谷で最大のセンターとなった。ヤルメラ周辺では確認できない植物遺存体、グアテマラ産のヒスイや太平洋産及びカリブ海産の貝でできた装飾品、メキシコ中央高原産の黒曜石、大理石製の碗の破片などの出土品も確認されている。