メルス・エル・ケビール(アラビア語: المرسى الكبير al-marsā al-kabīr, フランス語: Mers El Kébir)は、アルジェリアの都市。メルス・エル・ケビール(アル=マルサー・アル=カビール)とはアラビア語で「大きな港」を意味し、その名の通り地中海に面する港町である。オラン市の西隣に位置し、オラン県に属する。 メルス・エル・ケビールはローマ帝国時代に建設され、12世紀にはムワッヒド朝(アルモハード朝)によって海軍基地が置かれた。15世紀にはトレムセンのザイヤーン朝の支配下に入ったものの、1492年には海賊の支配下となった。その後短期間にオスマン帝国やポルトガルの占領下に入ったのち、1505年にはスペインのフランシスコ・ヒメネス・デ・シスネロス枢機卿の軍によって占領された。 1830年にはフランス領となり、市名はサン・タンドレ・ド・メルス・エル・ケビール(Saint André de Mers-el-Kébir)と改称された。1868年には港湾機能が強化され大灯台が建設された が、灯台は第2次世界大戦中に破壊された。