ミスリル(mithril)は、J・R・R・トールキンの作品世界中つ国に登場する金属。銀の輝きと鋼をしのぐ強さを持ち、非常に貴重なものとされる。『指輪物語』では、「ミスリルの産地はのみ」とされているが、『終わらざりし物語』では、「ヌーメノールでも産した」とされる。 「ミスリル」の名は二つのシンダール語(架空の言語)の単語、「灰色の」を意味する「ミス」(mith)と、「輝き」を意味する「リル」(ril)からなる。クウェンヤ名はミスタリレ(mistarille)。またまことの銀(true-silver)、モリア銀とも呼ばれる。ドワーフもかれらだけの秘密の名前でこの金属を呼称した。 『ホビットの冒険』でトーリン・オーケンシールドからビルボ・バギンズに贈られた「白銀色のはがね」製のくさりかたびらは、実はミスリル製であった。初期の英語版の翻訳である、日本語版『ホビットの冒険』にはこのような記載はないが、後の英語版ではミスリル製であることが付記されている。