マツバラン目(マツバランもく、Psilotales)はシダ植物の分類群のひとつ。マツバラン科の1科からなるが、を分けることもある。日本にはマツバラン1種のみが自生する。 根と明確な葉がなく、地下部は枝分かれした地下茎からなり、地上部は茎が二又分枝しながら伸び、胞子嚢をつける。ただし、茎には短い針状の突起があり、これを葉の一種と見る向きもある。イヌナンカクラン科では先端の茎が扁平で、葉のように見える。 従来の形態学的研究からは、分類学的位置は明確でなかった。形態の上からは、根や葉の分化が見られず、二叉分枝する茎だけからなる構造は維管束植物におけるきわめて祖先的なものと考えられる。そのため最初の陸上植物の形態をとどめたものとして、原始的な維管束植物とされる化石植物のリニア属 (Rhynia) に近縁と考えられたこともある。その点から、リニアやそれに類する植物をと呼んだこともある。 従来は葉が無いことなどからヒカゲノカズラ植物門(小葉類)に含めたが、分子系統解析により大葉類の1系統であることが明らかとなった。そのため、マツバランの原始的な形態は二次的なものと解釈して、ハナヤスリ類と合わせひとつの綱(マツバラン綱、Psilotopsida)として、シダ植物門の中に含めるよう変わってきている。

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  • マツバラン目(マツバランもく、Psilotales)はシダ植物の分類群のひとつ。マツバラン科の1科からなるが、を分けることもある。日本にはマツバラン1種のみが自生する。 根と明確な葉がなく、地下部は枝分かれした地下茎からなり、地上部は茎が二又分枝しながら伸び、胞子嚢をつける。ただし、茎には短い針状の突起があり、これを葉の一種と見る向きもある。イヌナンカクラン科では先端の茎が扁平で、葉のように見える。 従来の形態学的研究からは、分類学的位置は明確でなかった。形態の上からは、根や葉の分化が見られず、二叉分枝する茎だけからなる構造は維管束植物におけるきわめて祖先的なものと考えられる。そのため最初の陸上植物の形態をとどめたものとして、原始的な維管束植物とされる化石植物のリニア属 (Rhynia) に近縁と考えられたこともある。その点から、リニアやそれに類する植物をと呼んだこともある。 従来は葉が無いことなどからヒカゲノカズラ植物門(小葉類)に含めたが、分子系統解析により大葉類の1系統であることが明らかとなった。そのため、マツバランの原始的な形態は二次的なものと解釈して、ハナヤスリ類と合わせひとつの綱(マツバラン綱、Psilotopsida)として、シダ植物門の中に含めるよう変わってきている。 (ja)
  • マツバラン目(マツバランもく、Psilotales)はシダ植物の分類群のひとつ。マツバラン科の1科からなるが、を分けることもある。日本にはマツバラン1種のみが自生する。 根と明確な葉がなく、地下部は枝分かれした地下茎からなり、地上部は茎が二又分枝しながら伸び、胞子嚢をつける。ただし、茎には短い針状の突起があり、これを葉の一種と見る向きもある。イヌナンカクラン科では先端の茎が扁平で、葉のように見える。 従来の形態学的研究からは、分類学的位置は明確でなかった。形態の上からは、根や葉の分化が見られず、二叉分枝する茎だけからなる構造は維管束植物におけるきわめて祖先的なものと考えられる。そのため最初の陸上植物の形態をとどめたものとして、原始的な維管束植物とされる化石植物のリニア属 (Rhynia) に近縁と考えられたこともある。その点から、リニアやそれに類する植物をと呼んだこともある。 従来は葉が無いことなどからヒカゲノカズラ植物門(小葉類)に含めたが、分子系統解析により大葉類の1系統であることが明らかとなった。そのため、マツバランの原始的な形態は二次的なものと解釈して、ハナヤスリ類と合わせひとつの綱(マツバラン綱、Psilotopsida)として、シダ植物門の中に含めるよう変わってきている。 (ja)
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  • マツバラン目(マツバランもく、Psilotales)はシダ植物の分類群のひとつ。マツバラン科の1科からなるが、を分けることもある。日本にはマツバラン1種のみが自生する。 根と明確な葉がなく、地下部は枝分かれした地下茎からなり、地上部は茎が二又分枝しながら伸び、胞子嚢をつける。ただし、茎には短い針状の突起があり、これを葉の一種と見る向きもある。イヌナンカクラン科では先端の茎が扁平で、葉のように見える。 従来の形態学的研究からは、分類学的位置は明確でなかった。形態の上からは、根や葉の分化が見られず、二叉分枝する茎だけからなる構造は維管束植物におけるきわめて祖先的なものと考えられる。そのため最初の陸上植物の形態をとどめたものとして、原始的な維管束植物とされる化石植物のリニア属 (Rhynia) に近縁と考えられたこともある。その点から、リニアやそれに類する植物をと呼んだこともある。 従来は葉が無いことなどからヒカゲノカズラ植物門(小葉類)に含めたが、分子系統解析により大葉類の1系統であることが明らかとなった。そのため、マツバランの原始的な形態は二次的なものと解釈して、ハナヤスリ類と合わせひとつの綱(マツバラン綱、Psilotopsida)として、シダ植物門の中に含めるよう変わってきている。 (ja)
  • マツバラン目(マツバランもく、Psilotales)はシダ植物の分類群のひとつ。マツバラン科の1科からなるが、を分けることもある。日本にはマツバラン1種のみが自生する。 根と明確な葉がなく、地下部は枝分かれした地下茎からなり、地上部は茎が二又分枝しながら伸び、胞子嚢をつける。ただし、茎には短い針状の突起があり、これを葉の一種と見る向きもある。イヌナンカクラン科では先端の茎が扁平で、葉のように見える。 従来の形態学的研究からは、分類学的位置は明確でなかった。形態の上からは、根や葉の分化が見られず、二叉分枝する茎だけからなる構造は維管束植物におけるきわめて祖先的なものと考えられる。そのため最初の陸上植物の形態をとどめたものとして、原始的な維管束植物とされる化石植物のリニア属 (Rhynia) に近縁と考えられたこともある。その点から、リニアやそれに類する植物をと呼んだこともある。 従来は葉が無いことなどからヒカゲノカズラ植物門(小葉類)に含めたが、分子系統解析により大葉類の1系統であることが明らかとなった。そのため、マツバランの原始的な形態は二次的なものと解釈して、ハナヤスリ類と合わせひとつの綱(マツバラン綱、Psilotopsida)として、シダ植物門の中に含めるよう変わってきている。 (ja)
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