ヘリカルアンテナは、無線通信用アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型、サイドファイヤ型、ノーマルモード型がある。 エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。 サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。

Property Value
dbo:abstract
  • ヘリカルアンテナは、無線通信用アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型、サイドファイヤ型、ノーマルモード型がある。 エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。 サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。 ノーマルモード型は、単にのエレメントを、らせん状に巻いて小型化したものである。モノポール・アンテナと同様の偏波、指向性となる。ハンディー型(手で持って使う)トランシーバーや携帯電話のアンテナに使われている。短い全長の割に利得低下は少なく、表面をラバーなどで覆って柔軟性を持たせることができる(弾性限界を超えない限り、引っ掛けたりぶつけたりしても折れない)ため、使用に便利である。 (ja)
  • ヘリカルアンテナは、無線通信用アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型、サイドファイヤ型、ノーマルモード型がある。 エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。 サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。 ノーマルモード型は、単にのエレメントを、らせん状に巻いて小型化したものである。モノポール・アンテナと同様の偏波、指向性となる。ハンディー型(手で持って使う)トランシーバーや携帯電話のアンテナに使われている。短い全長の割に利得低下は少なく、表面をラバーなどで覆って柔軟性を持たせることができる(弾性限界を超えない限り、引っ掛けたりぶつけたりしても折れない)ため、使用に便利である。 (ja)
dbo:thumbnail
dbo:wikiPageID
  • 171786 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 1161 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 83375137 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-ja:wikiPageUsesTemplate
dct:subject
rdfs:comment
  • ヘリカルアンテナは、無線通信用アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型、サイドファイヤ型、ノーマルモード型がある。 エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。 サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。 (ja)
  • ヘリカルアンテナは、無線通信用アンテナの一種である。短波から極超短波の周波数において用いられる。エンドファイヤ型、サイドファイヤ型、ノーマルモード型がある。 エンドファイヤ型は、アースとして導体円板を用いた1/4波長ブラウン・アンテナの垂直エレメントを、らせん型の1波長のエレメントに置き換えた構造である。らせんの軸方向に強い放射を持つ。らせんの巻き数は3回以上、ピッチ(傾斜)角は12〜15度とする。放射される電波は円偏波である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い。導体板の上に複数のらせん型エレメントを設けたものもある。 サイドファイヤ型は、垂直に設置した導体円管の中央に、表面を絶縁被覆した長さが2波長または3波長の導線を接続し、上下対称にらせん型に巻きつけ、さらに導線の上端と下端を導体円管に接続した構造である。上下のらせんは逆方向に巻かれているので、垂直偏波成分は打ち消し合い、水平偏波成分だけが残る。水平面内は無指向性である。ブラウン・アンテナよりも高い利得が得られ、扱える周波数帯域が広い(中心周波数の10%程度と言われている)。 (ja)
rdfs:label
  • ヘリカルアンテナ (ja)
  • ヘリカルアンテナ (ja)
owl:sameAs
prov:wasDerivedFrom
foaf:depiction
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageWikiLink of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of