ヘラクレス(英語: HERAKLES)は、タレス社が開発した多機能3次元レーダー。 本機は、非常に特徴的なアンテナを採用している。アンテナ本体はメガフォンのようなかたちをしており、上端を削られた底辺4メートルの四角錐型構造物の中に収容されて、毎分60回転という高速で回転して全周を走査する。このメガフォン型アンテナは4×4個のマイクロ波ホーンによって構成されており、それぞれのホーンには4個ずつの送受信機が配されている。またビームの指向は電波レンズによって行なわれており、アンテナ全体で1761個のフェーズ・シフターが配されている。これにより、電波ビームは70度の仰角まで指向できる。タレス社は、この方式を、純粋なアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式より単純で信頼性に優れ(平均故障間隔(MTBF)は900時間と見積もられている)、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式よりもビーム形成能力に優れるものとしている。なおピーク出力は50キロワットとされている。 本機は、最大で400個の目標を処理可能である。探知距離は、戦闘機に対して200 km (110 nmi)、ステルス性を考慮したミサイルに対して60 km (32 nmi)、シースキマーに対して20 km (11 nmi)とされている。アスター艦対空ミサイルの運用に完全に適合化されており、指令誘導アップリンクを行うことができる。

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  • ヘラクレス(英語: HERAKLES)は、タレス社が開発した多機能3次元レーダー。 本機は、非常に特徴的なアンテナを採用している。アンテナ本体はメガフォンのようなかたちをしており、上端を削られた底辺4メートルの四角錐型構造物の中に収容されて、毎分60回転という高速で回転して全周を走査する。このメガフォン型アンテナは4×4個のマイクロ波ホーンによって構成されており、それぞれのホーンには4個ずつの送受信機が配されている。またビームの指向は電波レンズによって行なわれており、アンテナ全体で1761個のフェーズ・シフターが配されている。これにより、電波ビームは70度の仰角まで指向できる。タレス社は、この方式を、純粋なアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式より単純で信頼性に優れ(平均故障間隔(MTBF)は900時間と見積もられている)、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式よりもビーム形成能力に優れるものとしている。なおピーク出力は50キロワットとされている。 本機は、最大で400個の目標を処理可能である。探知距離は、戦闘機に対して200 km (110 nmi)、ステルス性を考慮したミサイルに対して60 km (32 nmi)、シースキマーに対して20 km (11 nmi)とされている。アスター艦対空ミサイルの運用に完全に適合化されており、指令誘導アップリンクを行うことができる。 (ja)
  • ヘラクレス(英語: HERAKLES)は、タレス社が開発した多機能3次元レーダー。 本機は、非常に特徴的なアンテナを採用している。アンテナ本体はメガフォンのようなかたちをしており、上端を削られた底辺4メートルの四角錐型構造物の中に収容されて、毎分60回転という高速で回転して全周を走査する。このメガフォン型アンテナは4×4個のマイクロ波ホーンによって構成されており、それぞれのホーンには4個ずつの送受信機が配されている。またビームの指向は電波レンズによって行なわれており、アンテナ全体で1761個のフェーズ・シフターが配されている。これにより、電波ビームは70度の仰角まで指向できる。タレス社は、この方式を、純粋なアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式より単純で信頼性に優れ(平均故障間隔(MTBF)は900時間と見積もられている)、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式よりもビーム形成能力に優れるものとしている。なおピーク出力は50キロワットとされている。 本機は、最大で400個の目標を処理可能である。探知距離は、戦闘機に対して200 km (110 nmi)、ステルス性を考慮したミサイルに対して60 km (32 nmi)、シースキマーに対して20 km (11 nmi)とされている。アスター艦対空ミサイルの運用に完全に適合化されており、指令誘導アップリンクを行うことができる。 (ja)
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  • 艦橋上の四角錐状構造物がヘラクレスの空中線部。 (ja)
  • フォーミダブル級フリゲート「シュープリーム」 (ja)
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  • ヘラクレス(英語: HERAKLES)は、タレス社が開発した多機能3次元レーダー。 本機は、非常に特徴的なアンテナを採用している。アンテナ本体はメガフォンのようなかたちをしており、上端を削られた底辺4メートルの四角錐型構造物の中に収容されて、毎分60回転という高速で回転して全周を走査する。このメガフォン型アンテナは4×4個のマイクロ波ホーンによって構成されており、それぞれのホーンには4個ずつの送受信機が配されている。またビームの指向は電波レンズによって行なわれており、アンテナ全体で1761個のフェーズ・シフターが配されている。これにより、電波ビームは70度の仰角まで指向できる。タレス社は、この方式を、純粋なアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式より単純で信頼性に優れ(平均故障間隔(MTBF)は900時間と見積もられている)、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式よりもビーム形成能力に優れるものとしている。なおピーク出力は50キロワットとされている。 本機は、最大で400個の目標を処理可能である。探知距離は、戦闘機に対して200 km (110 nmi)、ステルス性を考慮したミサイルに対して60 km (32 nmi)、シースキマーに対して20 km (11 nmi)とされている。アスター艦対空ミサイルの運用に完全に適合化されており、指令誘導アップリンクを行うことができる。 (ja)
  • ヘラクレス(英語: HERAKLES)は、タレス社が開発した多機能3次元レーダー。 本機は、非常に特徴的なアンテナを採用している。アンテナ本体はメガフォンのようなかたちをしており、上端を削られた底辺4メートルの四角錐型構造物の中に収容されて、毎分60回転という高速で回転して全周を走査する。このメガフォン型アンテナは4×4個のマイクロ波ホーンによって構成されており、それぞれのホーンには4個ずつの送受信機が配されている。またビームの指向は電波レンズによって行なわれており、アンテナ全体で1761個のフェーズ・シフターが配されている。これにより、電波ビームは70度の仰角まで指向できる。タレス社は、この方式を、純粋なアクティブ・フェイズド・アレイ(AESA)式より単純で信頼性に優れ(平均故障間隔(MTBF)は900時間と見積もられている)、パッシブ・フェイズド・アレイ(PESA)式よりもビーム形成能力に優れるものとしている。なおピーク出力は50キロワットとされている。 本機は、最大で400個の目標を処理可能である。探知距離は、戦闘機に対して200 km (110 nmi)、ステルス性を考慮したミサイルに対して60 km (32 nmi)、シースキマーに対して20 km (11 nmi)とされている。アスター艦対空ミサイルの運用に完全に適合化されており、指令誘導アップリンクを行うことができる。 (ja)
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