フィリッパ・ルース・フット(Philippa Ruth Foot、旧姓Bosanquet、1920年10月3日-2010年10月3日)はイギリスの哲学者。倫理学分野における業績で著名。 今日の徳倫理学を築いたうちの一人と目されている。晩年の業績では、彼女自身の1950年代・1960年代の研究に窺える立場から大きな変化を示している。それはアリストテレスの倫理学が、より新しい義務論や功利主義といった倫理学説にも対抗しうるほど上手く現代社会の問題に適応可能であることを示し再評価しようという試みと捉える事が出来る。 また、特に帰結主義への批判により分析哲学の内に規範倫理学を再び打ち立てようとした研究も非常に重要である。よく知られた例はいわゆる「トロッコ問題」であり、この問題については今も議論が続けられている。フットの方法論には後期ウィトゲンシュタインの影響が見てとれるが、ウィトゲンシュタインによって扱われた題材をそのまま取り上げることはほとんどなかった。