パクス・シリアーナまたはパクス・シリアナ(ラテン語:Pax Syriana、アラビア語:السلام السوري )とは、ラテン語で「シリアによる平和」を意味するパクス・ロマーナをもじった史学上の用語であり、西アジアにおける国際関係論にて用いられ、通常は近隣諸国、特にレバノンに影響を及ぼすためのシリアによる取り組みに関連する用語である。レバノン内戦が終結した1990年からレバノンの首相であったラフィーク・ハリーリーが暗殺される2005年まで、主にシリアが15年間にわたってレバノンを支配した時代を指してこう呼ばれる。パクス・シリアーナの背後にある考えは、やフランスによる委任統治を経たシリアが外交や軍事力を通じ、レバノンにおける平和を保障するために必要な同盟国であることにより、アメリカ合衆国のための役割を獲得できるという点にある。