本稿では成田良悟のライトノベル『バッカーノ!シリーズ』(電撃文庫)の1930年代のエピソードについて説明する。 この作品群は、3つの時代を描く本作最初のシリーズであり、禁酒法時代末期のアメリカでギャング、情報屋、一般人、不死の人間などが交錯する群像劇である。1930年を舞台とした第1巻『The Rolling Bootlegs』は成田のデビュー作であり、当初は1930年代のみの予定だったが、シリーズの成功とともに各年代へ広がった。成田は1935年のエピソードを持って1930年代を終えると述べている。