バグパイプ(bagpipe/bagpipes 正しくはバッグパイプ)は、リード式の民プ pipe)を留気袋(バに繋ぎ、溜めた空気を押し出す事でリードを振動させて音を出すものである。バグパイプの発声原理は有簧木管楽器と同じであり、一種の気鳴楽器ではあるが、必ずしも一般的な意味での「吹奏 。 送気方式として、人の呼気を用いるものと、鞴のとがあるが、いずれも留気袋の押圧で音管に送る空気の量を調節し、区切りなく音を出し続けることができる。旋律を演奏する主唱管(チャンター chanter)の他に、しばしば一本ないし数本の通奏管(ドローン drone)が付き、同時に鳴奏される。 日本ではスコットランドのグレート・ハイランド・バグパイプが最も有名であり、単にバグパイプと言えばほとんどの場合これを指すが、この他にも独自のバグパイプがアイルランド、イタリア、スペイン、ポーランド、トルコ、バルカン半島といった広い範囲に存在している。グレート・ハイランド・バグパイプは、アイルランドや、スコットランド系移民の多い北米やオーストラリア、ニュージーランドでも盛んに演奏される。また、インドを始めとする旧イギリス植民地諸国では、軍事パレードでバグパイプによる軍楽隊が編成されることがある。 2015年にスロバキアのバグパイプ文化が、2017年にはアイルランドのイリアン・パイプスが、ユネスコの無形文化遺産に登録された。