ニトロプルシド(Nitroprusside)とは無機配位化合物の一つである。ナトリウム塩の化学式は Na2[Fe(CN)5NO] で、医薬品としては二水和物 Na2[Fe(CN)5NO]・2H2O が用いられる。この赤色結晶は水-エタノール混液に溶解して二価の錯体イオン[Fe(CN)5NO]2− となる。 ニトロプルシドは血管拡張薬としても使用される。一酸化窒素(NO)を放出する作用を有し()、一酸化窒素が平滑筋に作用するとグアニル酸シクラーゼを活性化し、サイクリックGMP(cGMP)が生成され、cGMPは平滑筋収縮を抑制し、血管壁が弛緩拡張して血圧が低下する。この用途ではニトロプルシドはSNPと略称される。 ニトロプルシドはメチルケトンの検出試薬でもあり、尿中ケトン体の検出に用いられている他、として違法薬物に含まれるアミンの検出にも使用される。 WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている。