ナムチ(梵: नमुचि, Namuci)は、インド神話に登場するアスラである。雷神インドラの友であり、後に裏切った不倶戴天の敵。ナムチとインドラに関するまとまった神話は主にブラーフマナ以降の文献で語られるが、すでに『リグ・ヴェーダ』(VIII・14・13, X・131・4~5)に言及されており、古くから良く知られていたと考えられる。しばしばヴリトラと混同される。後世のプラーナ文献の1つ『』ではダイティヤ王ヒラニヤカシプの娘シンヒカーとヴィプラチッティの子。 言語学者、宗教学者のジョルジュ・デュメジルは『戦士の幸と不幸』において、インドラとナムチの神話をローマ建国神話のトゥッルス・ホスティリウスとのエピソードと比較研究している。